台湾、光の祭典「ランタンフェスティバル」開催、今年は嘉義で
過去最大の延べ1000万人超が参加
足を伸ばして台南観光も
今年の観光テーマ「海湾」のランタン鮮やか
日本の企業や自治体の参加も多数
広大な台湾ランタンフェスティバルの会場には、大小数千に及ぶランタンが並んだ。企業が制作したものから、アーティストによる手の込んだ作品、地元の小学生が手がけた可愛らしいものまで多種多様で飽きることはない。なかでも毎年、注目を集めるのがメインランタンだ。今年は、干支である犬と原住民の子どもを模した高さ21メートルの巨大なランタンがメイン会場に据えられた。
台湾観光局の今年の観光テーマ「海湾旅行」をモチーフにしたランタンも数々用意された。亀山島、緑島などの離島を表現したランタンや、海の生物を模ったものなど、趣向が凝らされたランタンが目を引く。国際友好エリアには、三重県、香川県、名古屋市、札幌市、東武鉄道グループ、近鉄グループなど、日本からの個性的な展示も並んだ。
3月2日の初日は、日没を待たずして来場者が続々集まり始め、写真撮影などに興じていたが、時間とともにその数は加速度的に増加。点灯式を前に、ステージでは各国団体のパフォーマンスも行われ、日本からは「よさこい」チームが複数参加し、会場を大いに盛り上げた。
初日の来場者は50万人を超える
日もとっぷり暮れた午後7時前、台湾総統の蔡英文氏が会場に到着。大勢の観客を前に挨拶すると会場は一気に熱を帯びる。その後、伝統のラッパの音が会場に鳴り響くと、カウントダウンを経てメインランタンが点灯。今年から導入されたという投射ライトが夜空を照らし、会場を埋めた観客のスマホの光とメインランタンの灯りがあいまって、一帯は幻想的な雰囲気に包まれた。
会場となったエリアは、街並みが整然として道路の道幅も広く、大規模なイベントの開催地としてお誂え向き。過去最大規模の広さの会場で開催したこともあってか、来場者が50万人を超えたとされる初日も混乱なく、非常にスムーズに運営されていた印象を受ける。
また、公共交通機関やコンビニエンスストアなどで利用可能なICカード「悠遊カード」を会場の店舗などで使えるようにするなど、ITの活用による来場者の利便性向上がはかられたほか、「ポケモンGO!」ゾーンを設置して話題を呼ぶなど、伝統の伝承のみならず、新しい要素を果敢に取り込んだイベントとなっていたことも強い印象を残した。