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観光先進国へ行動計画、「実行あるのみ」-海外含め三位一体で

▽民泊の是正要望、デジタルマーケティング強調の意見も

 第4回協議会の場では、集まった委員からの意見や要望も聞かれた。最初に発言した日本商工会議所観光委員会共同委員長の須田寛氏は、計画案に賛意を表明しつつ、観光産業の裾野が広いがゆえの「アンバランス」に警鐘を鳴らした。

 須田氏が特に是正を要すると指摘したのは民泊問題で、経営の近代化や生産性向上など旅館側が抱える課題に自ら取り組むことを前提として、競争条件が不公平であってはならない、せめてその取り組みのための時間に猶予を持たせるべきと要望した。

 また、グーグルの観光立国推進部長である陣内裕樹氏も発言し、全国各地の魅力をインターネット経由で発信するデジタルマーケティングが今後より重要になると指摘。その上で、従来は生産性向上が主眼であったICT専門部会を発展させて取り組むべき課題であると強調した。

 このほか、JNTO理事長の松山氏も行動計画について「まだまだ完璧ではない」とし、課題が3つあると分析。まず、すでに協議会には114の企業・団体が加盟しており、必然的に行動計画も「総花的」になってしまっているが、須田氏も指摘する「アンバランス」も踏まえて優先順位を付ける必要があるとの考えだ。

 次に「観光産業を強くする」視点が不十分で、規制緩和や民間側の取り組みを取りまとめる必要性を挙げた。そして、3点目が「観光分野での国際的貢献」で、国連の世界観光機関(UNWTO)が2017年を「International Year of Sustainable Tourism for Development(発展に向けた持続的観光のための国際年)」と掲げているなかで、日本がイン/アウトの双方向で貢献することが重要と語った。