クリスタル・クルーズ、航空事業に参入へ-リバーやヨット、新造船も
クリスタル・クルーズはこのほど、航空、リバークルーズ、ヨットサイズの小型客船へと事業を拡大すると発表した。2018年までに順次展開していく方針で、新たな事業計画への投資を継続的におこなっていく。また、18年中には、レジデンス付きの新造船として、10万トン以上の客船3隻も完成する見込みだ。
航空事業については、17年をめどに「クリスタルラグジュアリーエアー」のサービスを開始する。詳細については現在明らかにしていないが、ボーイングにB787型機を発注しているところで、28日間の世界一周旅行を実施する予定。旅程は、12地域の辺境から人気都市まで訪れるとしており、世界最高水準のホテルやリゾートに宿泊し、地元ならではの料理や世界クラスのエンターテイメントを提供するという。また、リバークルーズについては、2017年春に就航する予定。客船の詳細や旅程については現在非公開とした。
小型客船事業については、2015年12月23日、「クリスタル・ヨット・クルーズ」として、総トン数3300トンの小型客船「クリスタル・エスプリ」の処女航海を開始する。クリスタル・クルーズによると、小型客船での船旅はクルーズ業界では急成長しており、質の高いラグジュアリーな客室を求めるニーズが高まる傾向にあることから、小型客船でのクルーズへの参入を決定。大型客船では寄港できない入江やヨットマリーナ、孤島などに停泊できる点がメリットだという。
クリスタル・エスプリの乗客数は62名。客室は全室スイートで、2名乗りの潜水艦や、10人乗りのゾディアックボート、ボートアドベンチャー用の12人乗りの娯楽用ヨットを搭載する。船尾のマリーナからはシュノーケリングやカヤック、ジェットスキーなどのアクティビティも体験可能だ。さらに、クルーズではエクスカーションとして、ほとんどの寄港地において、無料で参加できる文化体験型または冒険型のツアーを用意した。
クルーズは7泊が基本で、セイシェル、アドリア海、ベニス、クロアチアの海岸線の島々を訪問。3パターンの旅程を用意した。処女航海ではセイシェルのヴィクトリア発着で、セイシェル諸島を7泊でめぐる。さらに、ドバイのタージパレスホテルに後泊して新年を祝うプランも用意した。
▽18年後半に3隻の新造船、レジデンスも
さらにクリスタル・クルーズでは、2018年後半までに、3隻の大型客船の完成をめざし、現在取り組みを進めているところ。総トン数は10万トン以上、乗客定員は1000名、乗員は1000名。船上には同社としては初めてレジデンスも設けた。氷河区域も航行できるといった探検船と同様の機能も有しているという。
客室は全室バルコニー付きのスイートで、広さは最低でも37.16平方メートル。天井は既存の船との比較で0.3メートルから2.43メートル高くした。また、船の最上デッキには48部屋のレジデンスも用意。居住者専用のレストランやレセプションなどの施設も設置する予定だ。
このほか、潜水艦、ヘリコプター、ゾディアックボートなども用意する予定。船内ではミシュランの星を獲得したシェフ監修の料理を提供する計画だ。