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民間主導で稼げる訪日ビジネスを、街づくりで誘客強化

  • 2014年11月25日

訪日ビジネスで外貨獲得、地域の人材育成を
「住んでよし」の街づくりで観光客を誘致

地域のリーダー育成、地方の免税店拡大を

JIS代表取締役社長の中村好明氏  講演では、今後のインバウンド市場拡大に向けた課題についても語られた。中村氏はまず、地方でのデスティネーション・マネージメント・リーダー(DML)の不在を挙げ、「地元で商売をしている人たちから育成して、地方間のネットワーク化を進めるべき」と提言した。

 また、通訳案内士法の改正の必要性も指摘。第36条の「通訳案内士でない者は、報酬を得て、通訳案内を業として行ってはならない」を「富のリーケージ(漏出)」だと問題視し、免許がなくても案内できるような仕組みを作る必要があると主張した。

 さらに、10月1日から拡大された免税対象物品についても触れ、新たに税抜5001円以上の消耗品も免税対象になったものの、既存の税抜10001円以上の対象品との合算は不可になっていることから、「分かりにくい」として一本化することを求めた。加えて、免税店の数がまだ少ないことにも言及。2014年4月現在で全国に5777店の免税店があるが、そのうち3940店、全体の68.2%が東京国税局と大阪国税局管内に集中していることから、「地方の免税店を増やし、全体でこれまでの10倍くらいの数までに拡大させていく覚悟」が必要であると強く訴えた。

 中村氏は最後に、訪日GDPの増加には、都市で観光や飲食、ショッピング、住民との交流などを楽しむアーバンツーリズム(都市観光)の充実が不可欠との観点から、全国主要都市のインバウンド実行委員会のネットワークを構築する「アーバンネットワーク・ジャパン」構想の実現に取り組んでいく考えを示した。同氏は新宿通りにある百貨店、大型商業施設、量販店など異業種7社が訪日外国人向けに共同で実施した「新宿ショッピングキャンペーン」を例に挙げ、「これは2ヶ月続けたが、継続してほしいとの声が多かった」と成果を説明。今後の課題は「一過性でなく、常設の実行委員会を置くべき」とし、継続した取り組みの重要性も指摘した。