トップインタビュー:OZ取締役常務・日本地域本部長の柳光烈氏
厳しい環境も新施策で需要獲得
民間交流の維持・拡大に業界全体の取り組みを
-K-POPについては日本にも根強いファンがいますが、具体的にはどのように関わっているのでしょうか
柳 OZは2012年から韓国のレコード会社「YGエンターテイメント」の公式スポンサーを務めている。PSY、BIGBANG、2NE1など、数多くのアーティストを抱えている会社だ。また、CJ&Mという会社が運営しているグローバルコンサートブランドの「M-live」も公式スポンサー航空会社として契約している。
本社レベルでは非常に力を入れていると考えているが、日本地域としては認知向上の取り組みが足りていないかもしれない。今年はもっと情報発信などに力を入れていきたい。アシアナクラブメンバーも日本に36万人いるが、今のOZがどういう状況で、どんなことを考えているとか、単純なことからでもお送りしたいと思う。旅行業界に対しても同様だ。
-今の旅行業界にとって明らかに成長すると思われるのはインバウンドですが、日本の旅行会社との協業の可能性はあるでしょうか
柳 もちろんある。韓国の旅行者は本来、日本が大好き。観光資源が豊富で、ゴルフ、温泉、山、スキー、そして食べ物。今は昔のようにパッケージや団体で動くスタイルよりFITが結構増えている。これから若者を中心にFIT市場に変わるのではないか。
韓国の旅行者に対して日本の旅行会社がもし積極的にやっていただけるのであれば、我々も是非協力していきたいし、旅行会社と提携してFIT向けの商品なども一緒に作っていきたい。
-残念ながら日韓関係は必ずしも良い状態ではありませんが、市場規模は依然として大きいものがあり、報道されていることと実際に日韓を行き来している旅行者の感覚に温度差があると感じます
柳 政治のことで色々もめているが、胸が痛いほど遺憾だ。マスコミが入って感情的になりやすいが、冷静に、そして次世代まで考えながら仲良くしなければならないし、そのためには民間交流、人的交流が重要だ。旅行業界を中心にして、周囲でそういう話が出ていても、どんどん韓国商品、訪日商品を作って往来を促進しなければならない。
ちょうど2月5日には日本旅行業協会(JATA)の菊間潤吾会長らと韓国旅行業協会(KATA)が交流し、ソウル市長との晩餐会もあった。観光協会をはじめ、民間レベルでは韓国と日本はこういう風ではいけないと考えている。
実際に、日本から韓国へ旅行された方々の、向こうでどうだったかという生の声も、旅行会社と航空会社が伝えていく努力をすると、印象も変わってくるのではないか。
-最後に、日本の旅行業界で働く読者に対してメッセージをお願いします
柳 多くの日本のお客様に韓国に来ていただき、韓国の食べ物や習慣、文化などを楽しんでいただいている。昨年は少し減ったとはいえ274万人で、韓国への旅行者に占める割合は約15%。マスコミは別にして、旅行業界は日本人をお待ちしている。
OZとしては、LCCも参入してきているが、より品質の良いサービスを、スターアライアンスネットワークを含めて提供していく。6月以降には新機材のエアバスA380型機を成田と関空に投入し、日本のお客様にもご体験いただけるようにする。高品質なサービス提供をモットーとするOZを応援していただきたい。
-ありがとうございました