トップインタビュー:OZ取締役常務・日本地域本部長の柳光烈氏

厳しい環境も新施策で需要獲得
民間交流の維持・拡大に業界全体の取り組みを

-昨今はLCCの参入もあり、競争が激しくなっているのではないでしょうか

 羽田以外はオープンスカイとなり、日韓線の座席供給量におけるLCCのシェアは、日本全体では2012年に11%であったところから2013年は22%まで拡大した。しかし、市場環境が悪いため、全体が苦しんでいる。

 お客様への選択肢は増えたが、旅行・航空業界にとっては安いものばかりでマージンが少なくなる。もし2014年も需要が2013年程度になった場合、各社の収益性の問題が一層顕在化することになるだろう。安いものには理由がある。お客様の層もあるが、急がず、健全な環境での全体的な市場拡大を進めていきたい。

 私の個人的な予想だが、LCCを含めた日韓線の航空会社は、市場環境の悪化でずいぶんダメージを受けており、LCCも利益を残せる可能性は限りなく低いと見ている。韓国のLCCの場合、金浦/チェジュ線など国内路線の収益性は良いが、日本路線では苦労している。

 日本路線であまりにも赤字が大きくなると、路線網を調整しなければという話になるだろう。実際に、福岡/仁川線では減便の動きが出ている。需給バランスを考えて、不毛な価格競争は避けたいところだ。


-他社との差別化策をお教え下さい

 日本発の韓国旅行は、2014年もまだ減少に歯止めがかかっていない。その中で、LCCとの競争がない仁川以遠の商品にはチャンスを見出している。また、OZがスポンサーを務めるK-POPなどでイメージ、ブランドの向上もはかりたい。そして、オンラインの強化や新しい商品も。

 以遠については、OZが優位性を示せるのはまず中国、東南アジア。そこから力を入れていきたい。仁川での乗継旅客用のサービスも用意している。今までは競合他社が日本発の以遠需要を多く取り込んでいたが、OZとしてもサービスや利便性を高めて集客していきたい。ビジネス、レジャーともに、今年からより攻撃的に営業をかける。

 また、日本全国15都市20路線のネットワークを利用して仁川に集まり一緒に遊びに行く、そういうことも企画している。チャーター便になるかもしれない。韓流を絡めることもできるだろう。日本発の需要で足りなければ、韓国で追加することも可能だ。今は、全国の旅行会社と協力して、需要のある日にちとデスティネーションを調べている。