地域に分け入るJAL社員たち~岐阜県高山市編~
商工労働部 雇用・産業創出課長 太江敦さん
高山市は、北アルプスに代表される雄大な自然に囲まれ、ユネスコ無形文化遺産の高山祭をはじめ、古い町並などの歴史と伝統・文化が息づくまちです。観光関連産業をはじめ、高度な木材加工技術を有する家具製造業、トマト・ホウレンソウ栽培などが盛んで、飛騨牛・地酒などの食文化も充実しており、東京都とほぼ同じ面積を有する日本一広大な市域は、森林、温泉など多様な地域資源に恵まれています。
そのなかから、JALからの出向者と立ち上げ、本年4月にオープンした『飛騨高山にぎわい交流館「大政」』をご紹介します。大政は、まち歩きの楽しさを高めるための利便性や回遊性の向上、滞在時間の延長などによる中心市街地の活性化を図ることを目的として、大正末期に建築された町家をリノベーションした施設です。飛騨の家具や照明器具など優れた技術を体感でき、夜には大政と行神橋がライトアップされるなど新たなまちの魅力となっています。
人口減少、若者の流出などによる産業の担い手不足、空き家・空き店舗の増加などは、他の地方都市と同様に高山市が抱える課題となっています。こうした地域課題に対応するため、まち歩きの楽しさを高めるための利便性や回遊性の向上によるまちの価値・魅力の向上や、イノベーションによってまちを活性化する起業家の支援、地域課題の解決につながるサテライトオフィスや企業の誘致に取り組んでいます。
これらの取り組みを加速するためには、JALグループの全国各地の都市に関する知見・見識や情報発信力、経営の視点を踏まえた課題解決力が重要だと考えています。先にご紹介した「大政」では、出向者が中心となって施設のオープンから運営までを牽引しています。コロナ禍における移動も徐々に緩和されてきていますので、官民交流による相乗効果により、サテライトオフィスの誘致やワーケーションのさらなる推進に、出向者とともに取り組んでいきたいと思っています。