星野リゾートが注力する6つのマイクロツーリズム市場とは?サブスクやポイント開始-海外はグアムに自信、2022春発表会
星野リゾートが4月13日に実施した定例会見「星野リゾートLIVE2022春」で、代表の星野佳路氏は6つのマイクロツーリズム市場を対象にした新しいスモールマスマーケティング施策を発表した。初のサブスクリプション(定額)サービスを参画するほか、70歳以上をターゲットに年間パスを用意。都市観光ホテルブランド「OMO」で初の会員ポイントを導入する。
星野氏は「コロナ禍でさまざまな工夫をしたときに発見があり、そのなかからいくつか新しい取り組みとしてスタートさせる。ある程度大きな市場内のあるセグメントを集中的にターゲットする発想」と説明した。6つの市場は「ビジネス利用」「新たな市場創造」「シニアマーケット」「ミレニアル・Z世代」「愛犬家」「北海道民(セイコーマートクラブ会員)」。
OMOのビジネス利用促進策、ワーケーション専用ルームにポイント制度も
「ビジネス利用」では、ワーケーションプランが好調に推移中の「OMO」ブランドで、5月1日から「OMO ワークルーム」を新設し、ワーケーション需要のさらなる取り込みをはかる。OMOの利用者からの「オンライン会議に参加し、声を出せるよう個室が欲しい」という声を受けたもので、まずは4月22日に開業予定の「OMO7 大阪」、5月20日に開業予定の「OMO5 金沢片町」を含む計8軒で展開する。星野氏は「アフターコロナでのワーケーションの定着に必要だと思っている。OMOで標準サービスにしていきたい」と意欲を示した。
OMO ワークルームは1時間500円で予約制。チェックイン前・チェックアウト後でも利用可能で、WiFiのほか、ワークデスクやPCモニター、会議用マイクスピーカーを用意する。宿泊予約後に専用のウェブサイトから申し込み可能だ。
加えてフレキシブルオフィスを展開するWeWork Japanとの提携も実施。WeWorkメンバーはOMOの宿泊中にワークルームを無料で2時間利用できる。さらにOMO宿泊者に対し、全国20拠点以上のWeWork共用エリアで利用できる1日無料体験クーポンを配布する。星野氏は「全世界にWeWork会員がいるので、インバウンドの戻りを見据え、宿泊施設の割引特典も検討している」とビジネス利用のさらなる可能性について語った。
さらに4月13日から、ビジネス客をターゲットに「OMOポイント」を導入する。OMOの急速な成長を受けたもので、星野リゾートにとってポイント制度の導入は今回が初めて。還元率は5%で、1万ポイント貯めると全国の星野リゾート47施設で1年間いつでも利用できる宿泊ギフト券と交換できる。利用人数や泊数、部屋タイプなどは自由に選べる。星野氏は「ビジネスホテル内で使うのではなく、ギフト券でリゾートを家族旅行など個人のバケーションで利用できるのが特徴。そこをしっかりアピールしていきたい」と話した。
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