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韓国の「今」を駐在員の視点から-感染者数は緩やかに減少、再び規制緩和へ

 2022年に入ってから韓国でもオミクロン株の感染が拡大しましたが、爆発的に増加した新規感染者数はようやく3月中旬にピークを迎え、その後緩やかな減少傾向をみせています。新規感染者数は依然として高いものの、以前政府が示した方針通り、新型コロナウィルスの規制緩和が進められていく状況を、韓国ソウルよりお伝えいたします。

東大門繁華街、3月30日(水)午後4時。ショッピング街の人出はかなりまばらでした。

現在の感染状況とワクチン接種状況

 韓国における新規感染者数は、日本より半月ほど遅れて2月に入ってからはっきりとした増加傾向に入り、ピークとなった3月中旬までの1ヶ月半もの間、上昇を続けていました。3月16日には1日の新規感染者数が62万人にも達し、これは韓国と日本との人口比から換算すれば、日本で1日150万人の感染者が発生したと同じことという計算になり、日本の最多感染者の10万人と比べていかに大きな数であることがわかると思います。

 幸いなことに、新規感染者数は3月中旬にピークを迎え、それ以降はゆるやかな減少傾向をみせていますが、4月2日の新規感染者数は23万人といまだに高い水準となっています。また他国同様、オミクロン株のより感染力の強い「BA2」系統の広がりにより、再び増加傾向に転じる可能性が指摘されています。

 韓国でも3回目のブースター接種が進められていますが、人口比85.9%の人が2回目接種を完了しているのに対し、3回目のブースター接種を終えた人は63.4%となっています。2月下旬からは4回目の接種も開始されており、高齢者福祉施設の入居者や免疫不全の人から優先的に接種が進められています。

感染及びワクチン接種統計(2022年4月4日現在)CoronaBoard

感染者死者重傷者致命率1回接種完了2回接種完了3回接種完了
1400万1406人1万7453人1108人0.12%4497万4446人4498万8675人3280万6113人

実施された規制緩和

 韓国政府は、昨年11月に基本方針をコロナとの共生を目指すウィズコロナへと転換、規制緩和を進めてきました。ですがその後、より感染力の強いオミクロン株の出現によって感染者数が増加し、政府は12月後半から防疫規定を再び強化して、4段階へ規制緩和を後戻りさせました。

 3月中旬に感染者数がピークを迎え、感染者数が緩やかな減少傾向をみせ、重症化率、死亡率を低く維持できていることから、韓国政府は今後再び各規制の緩和を進めていく方針を示しています。

 4月4日から実施された主な規制緩和は以下の通りです。

●私的な集まりの人数を、6人から10人に緩和
●飲食店の営業時短制限が、23時から24時に緩和
●大型スーパー、飲食店の入店時にワクチン接種QRコードパスが不要
●屋外のスポーツ観戦は100%の客席利用が可能

 規制緩和内容は2週間ごとに見直され、今後の感染状況によっては、飲食店に対する営業の制限の完全撤廃、屋外でのマスク着用義務の廃止等も検討されています。

現在の業種別規制内容

業種規制緩和内容
交通マスク着用義務
学校登校許可(学校長の判断)、換気徹底
企業常勤ではあるが一部企業では在宅奨励
レストラン24時まで
スポーツ観戦屋外スポーツ全面解除
宗教活動全面解除
クラブ・カラオケ24時まで

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