travelvision complimentary
itt TOKYO2024

「テクノロジーを駆使してホスピタリティを提供」宿泊施設のオペレーション改革へ―アルメックス 坪井将之氏

コロナ禍で期待高まる宿泊施設のITソリューション
ホテルで培ったシステムを病院や外食産業にも

 USEN-NEXT GROUPのアルメックスは、ビジネスホテルを中心とする宿泊施設や観光関連事業者などに基幹システムや精算システムを提供している。テクノロジーを駆使した業務効率向上は時代の要請であり、多くの事業者が求める方向性だ。同社の坪井将之常務は「コロナ禍を経てITソリューションによる業務効率化への要望は、以前にもまして強まっている」と話す。(聞き手:弊社代表取締役社長兼トラベルビジョン発行人 岡田直樹)

アルメックス取締役 常務執行役員 マーケティングセールス本部長の坪井将之氏

-アルメックスの概要から説明して下さい。

坪井将之氏(以下敬称略) 会社の前身は今から56年前、1966年に創業した東洋技研工業で、メッキ塗装プラントやプリント基板製造プラントのメーカーとして事業を拡大しました。その後、エレクトロニクス部門を立ち上げてレジャーホテルのチェックイン・チェックアウトシステムや精算機を開発し、次第にビジネスホテルや病院、ゴルフ場、外食企業などにも展開を拡大していきました。

 1990年にアルメックスへ社名を変更。2006年にUSENと資本提携し、プラント事業を売却しました。2017年のグループ統合を経てUSEN-NEXT GROUPの一員となり、現在はエレクトロニクス分野に特化した各種ITソリューションの開発と提供を行っています。

-ご自身の紹介もお願いいたします。

坪井 私はアルメックスのプロパーとして各分野を担当してきました。レジャーホテル分野では東京営業部、支店長、統括部長、事業部長を任されました。その後はゴルフ場、ビジネスホテルといった新たな分野の開拓に取り組み、今年度からはマーケティングセールス本部長として医療・外食業界を含む全業態にかかわる各事業を統括しています。

-どのような商品、サービスを提供しているのですか。

坪井 主力であるビジネスホテルやレジャーホテルといった宿泊施設に対しては、ホテルの基幹管理システム(PMS)やKIOSK(自動精算機)、ホテル予約統合アプリのStayConciergeだけでなく、客室インフォメーションシステムやビデオ・オン・デマンド(VODサービス) も提供しています。つまり旅マエの予約受付と予約管理から、旅ナカの効率化とアミューズメントシステム、旅アトのアンケートやプッシュ通知機能等のアプリまで、ホテル業務に関する一貫したソリューションを提供しています。

 医療機関分野では150床以上の大型病院を対象に、主として自動精算処理システムや再来受付機を提供しており、国内に150床以上の病院が4,000ありますが、うち2,000件超が弊社のユーザーです。

-大病院は待ち時間が長いのが当たり前になっていますが、自動精算システムによる効率向上の効果は大きいのでは。

坪井 診察が5分、10分に対し精算の待ち時間が30分から1時間というケースもありますが、弊社の自動精算システムを導入すれば、その待ち時間は大幅に削減できます。

-外食産業への普及はどの程度進んでいますか。

坪井 まだまだシェアが低いのが現状ですが、コロナ禍で需要は高まっています。ウェイターやウェイトレスがテーブルに行かずに客自身でメニューをオーダーしスタッフは配膳に集中する、いわゆるテーブルトップオーダーの仕組みと、精算のPOSシステムを連携させたトータルシステムは、非対面・非接触のキーワードに合致し、コロナ禍で削減したスタッフの穴を埋める存在としても注目度が高まっています。某大手外食チェーンが昨年、この一貫システムの導入を開始しており、現在は全店導入へ向けて準備中です。

次ページ >>> OTAでのレジャーホテルの掲載