ロイヤルティプログラムを活かした集客
コロナ禍を将来のファン獲得のきっかけに

大本　旅行会社さんの場合、これまでは団体の扱いが多かったのですが、今後はスポーツやイベント、エンターテイメントでの集客を強化できないかと相談しています。我々も、名古屋に大規模イベントを誘致するためにはどうすればよいか、企画、提案を行っています。

　OTAさんについては、我々ではリーチしづらい海外の個人旅行者の取り込みを期待しています。価格競争のみでは今後は厳しくなってくると思いますので、名古屋の魅力を発信する企画をお願いしたいですね。

大本　「マリオットはちょっと敷居が高いな」という印象を持っている若い方も多いのですが、この機会に利用してもらうことで、使い勝手の良さを感じてもらえればと考えています。これを導入として、アニバーサリーや結婚式などに繋げていきたいですね。実際に若い方のご利用も大幅に増えています。ホテルの利用の仕方や楽しさを知っていただくには体験していただくことが一番ですので、コロナ禍での数少ない良い結果の1つだと思っています。

大本　実は私もここに来るまで知らなかったのですが、一宮の七夕は「日本三大七夕」にも名前の挙がる華やかな祭りです。提灯は岐阜が有名ですが、名古屋提灯も古い歴史を持っています。ほかにも弥富の金魚や大治町のつるし雛など、地元の良いものをロビーで展示することで、観光に繋げたいと考えています。日本の良さを若い方々にも知ってもらうこと、なぜこれがその土地で脈々と伝えられてきたのかを発信していくことは、我々の1つの務めだと思っています。

大本　食べ物ならおすすめはあんかけスパですね。ひつまぶしや手羽先も有名ですが、名古屋に来たら是非食べてみてもらいたいB級グルメの1つです。

　ありきたりですが、観光地では、城西2丁目の外堀から見る名古屋城と石垣が圧巻です。桜の季節はとても美しいですよ。

大本　食住は人間の基本でもありますが、その体験をホテルで非日常を含め、いかに楽しんでいただき、お客様の人生をより豊かにできるか、我々の務めだと考えています。しかし、この新型コロナにより「旅行」という行為が大きく制限され、多くの方にその体験をしていただけない状況です。そんな中、まずはマイクロツーリズムを通して、身近な土地の文化、風習や食材を再発見していただける時であると感じております。

　先ほどお話した通り、今すぐ売上に直結しなくとも、こうした取り組みを継続し、地域の活性と文化、風習、伝統の継承の一助となれればと思っております。今一度この時期に地域の良さ、日本の良さを体験していただける方が少しでも増えれば観光産業に携わる身として嬉しく思います。