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製造業の街の新たな魅力を広める―名古屋マリオットアソシアホテル総支配人 大本茂氏

  • 2022年4月8日

ロイヤルティプログラムを活かした集客
コロナ禍を将来のファン獲得のきっかけに

-Marriott Bonvoy会員の方の利用はコロナ禍でも多いのでしょうか。

大本 シェアで見ると、お客様の約50%がMarriott Bonvoyの会員です。コロナ禍でビジネス利用が限られるなか、メンバーの方が非常に多く利用されていることは、1つのプラス要素と捉えています。

-SNSなどでは会員の方々が様々な情報交換をされていて、非常にアクティブだと感じます。

大本 ソーシャルメディアで知り合った方同士がラウンジでお話されているケースも見かけます。あそこのマリオットはどうだった、名古屋のマリオットはこんな風に活用できる……と。そうした動きがトレンドになりつつあると感じています。今後はいかに情報発信をしていくか、どのような体験を提供できるのかが更に重要になってくると考えています。

-大規模な宴会場や広い客室をお持ちですが、コロナ禍中はどのように活用されていますか。

大本 現在、スイートや和室などの部屋を活用し、瀬戸焼や美濃焼の展示、ハイブランドの展示や商談にご利用いただいています。焼き物については、人間国宝の方の作品から若手作家による斬新な作品まで幅広く揃え、販売やアピールをしてもらう場を提供しています。

 会食の需要が減ったため、宴会場もブランド企業や高級外車の展示などで活用しています。また、コロナ禍で旅行に行けない方々に少しでも旅行気分をあじわってもらいたいとの思いから、日本各地の食や文化・観光資源を集めた「地域バル」も開催しています。これまでには鳥取や北海道、北陸をテーマに実施しており、今後は高知や岐阜を予定しています。広い空間での食事で、安全・安心というお客様ニーズにも応えられていると実感しており、今後も続けていきたいと思っています。

-コストセーブや新たな需要の掘り起こしにはどのように取り組まれていますか。

大本 コストセーブという観点では、宿泊についてはMarriott Bonvoy会員やJRホテルメンバーへの打ち出しを強め、直販の比率を増やす努力をしています。料飲部門については、地域との連携を深め、協賛をしていただきながら、地産の食材をアピールする取り組みを行っています。

 需要の掘り起こしには、先ほどの焼き物展示のお話しのように、地元の若い陶芸家さんのサポートをすることや、他にも地域にはまだまだ知られていない文化・風習がたくさんあります。この機会に積極的に我々がステージをお貸しする形で、新たな需要を取り込んでいきたいと考えています。

-コロナ収束後の集客についての考えをお聞かせください。

大本 コロナ禍以前に日本に来られた海外からのお客様は、我々よりも日本の良いところをご存じでした。こうした情報をあらためて収集して日本の方々に魅力を発信することで、まずは国内の旅行を動かし、その体験を活かして次は海外にも発信し、需要を呼び込みたいと考えています。

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