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【ホテル総支配人リレーインタビュー】第12回 ホテル日航福岡総支配人 大月照雄氏

  • 2022年2月15日

地元密着と首都圏の需要獲得を強化
今年度の回復目標はコロナ前の6割

-雲仙観光ホテルの船橋聡子総支配人からの質問です。
九州マーケット最大商都の博多は、革新的かつ首都圏および関西圏との往来も簡便で、東証1部上場企業の支店支社数は上位を占めます。ビジネスマーケットとしてのニーズは高く、レジャーマーケットとしてもハブアンドスポークに適した好立地で、両セグメントへの訴求力は他の地方都市の追随を許さないものと考えます。コロナ禍により両者ともに消滅、もしくは激減しましたが、不透明な時世のなか、生き残りをかけてパラダイムシフトされるコアバリューは何でしょうか?また博多エリアにはラグジュアリーコレクションのプロパティ進出も控えています。エリア熟成の商機ととらえ、ターゲットセグメンテーションをどのように講じていかれるのでしょうか?

大月 お答えになるか分かりませんが、ラグジュアリーホテルの進出は非常にありがたいと思います。リッツカールトンが来春開業予定ですが、欧米系のお客様が増える可能性があり楽しみです。こう言うと「え~っ」と驚く方が多いのですが、競合が増えてもマーケットが活性化すれば、それが一番だと思います。

 福岡市がイベント誘致に力を入れてくれたおかげでマーケットは元気になりましたが、需要が弱い中で競えば叩き合いになる。そういう意味で新規ホテルがマーケットを刺激してくれるのは歓迎です。

 新規ホテル進出後も当ホテルのスタンスは変わりません。地元のお客様と関東方面からのお客様、この2つの需要をしっかり捉える。福岡・博多には食の魅力を求めて来るお客様が多いので、そこにもしっかり応えていく。加えて企業や団体様の式典やパーティー需要のためゴルフや食事等のお楽しみも提案していきます。

 インバウンドに頼れないためマイクロツーリズムの重要度が増しており、個人のお客様への取り組みを強化します。具体的にはウェブやSNSを駆使して個人客へのアプローチを強化する。やや弱い関西方面や中四国方面の取り込みにも力を入れます。

-読者にメッセージをお願いいたします。

大月 まだ少し我慢が必要ですが、コロナがインフルエンザ並みになれば急激に需要が伸びると信じています。その時の対応を今から準備しておくことが重要です。従業員の確保もそうですし、脱プラスチックといった社会の変化も同様。足元の準備をしっかりしておかねばなりません。「2022年がコロナを克服して回復に向かう年になった」と何年後かに振り返ることができると期待しています。

-最後にバトンを渡される方のご紹介と、大月様からその方へのご質問をお願いいたします。

大月 現在、年内開業予定の富士スピードウェイホテルの開業準備に当たられており、開業後は総支配人になられる予定の吉川源太さんにリレーしたいと思います。富士スピードウェイに隣接するホテルと伺いましたが、車好きの個人富裕層だけでなく、大会開催時にはコンスタントにホテル需要が見込めると思います。一方でバンケットもあるとのことですので、車やイベント関係以外の需要の取り込みも必要になると思います。周辺施設との連携など、準備の状況はいかがでしょうか。また御殿場周辺の事情が良く分かりませんが、人材採用の目途が立ったかどうかを伺いたいと思います。

-ありがとうございました。