【ホテル総支配人リレーインタビュー】第12回 ホテル日航福岡総支配人 大月照雄氏
地元密着と首都圏の需要獲得を強化
今年度の回復目標はコロナ前の6割
第11回の雲仙観光ホテルの船橋聡子代表取締役社長兼総支配人からバトンを渡されたのは、ホテル日航福岡総支配人の大月照雄氏。九州のゲートウェイ都市である福岡を代表するシティホテルも、コロナ禍に悩まされてきた。しかし今年度はコロナ前実績の6割までの業績回復を目指すという。(聞き手:弊社代表取締役社長兼トラベルビジョン発行人 岡田直樹)
大月照雄氏(以下敬称略) ホテル日航福岡は2019年7月に開業30周年を迎え、開業以来初めてスイートルームの改装も行いました。ホテルは今年33歳になります。福岡空港や博多駅へのアクセスが極めて良好な点が一番の特徴です。またフルサービスを備えたホテルとしてレストランや宴会施設も充実し、さまざまな目的でご利用いただけるのも強みで、地元の顧客とのつながりも強固です。
さらに福岡市が中心となって市所有の会議施設も活用してMICEの誘致に注力。また福岡PayPayドームの各種イベントなどの際は客室が不足するほどお客様が集まります。
コロナ禍によるキャンセル問題が生じた際は、直前キャンセルによって無駄になった仕入れ分や印刷物の実費はいただきましたが、取消料としてはいただきませんでした。これから先もリピートしてもらえるなら、その方が良いというのがオーナーと共通する思いです。
食事の美味しさも特色です。レストランの食事はもちろん、宴会の食事も美味しいとお客様からの評判が良いのが自慢です。
大月 もともとIT系の出身でホテル業界には転職組として入りました。まだJALホテルズという社名の頃、各ホテルのシステムがばらばらだったので統一したいとの要望があり、IT系企業の仕事としてホテルビジネスに関わったことがきっかけで転職を決めました。
初めのうちはシステム系の仕事を任され、東京や金沢、札幌、ホテル日航関西空港のサポートを担当。しかしいろいろなことを試すのが好きな性格もあり、次第に仕事がプロモーション等にも広がりました。東京の本社で企画立案や販売促進をするようになった頃、当時ダイエー傘下だった福岡ドーム隣接のホテルをテイクオーバーすることになり2005年に福岡へ赴任しました。ところがそのホテルが2010年にヒルトンへバトンタッチし、私はホテル日航福岡に異動となりました。総支配人は2017年から務めています。
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