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2030年の国際往来9000万人で売上1兆円を目指す-旅工房会長兼社長 高山泰仁氏

  • 2021年12月17日

想像以上の感動を提供できる旅行会社に
環境に配慮したツアー造成にも意欲

 海外旅行を中心にトラベル・コンシェルジュ・カンパニーとして、オーダーメイドの旅を提供している旅工房。コロナ前は、海外旅行市場の拡大に伴って順調に業績を伸ばしてきが、コロナ禍で状況は一変。オミクロン株の出現によって、さらに不透明さが増しているが、同社代表取締役会長兼社長の高山泰仁氏は「2030年の訪日6000万人、日本人海外旅行3000万人に向けて準備を進めていく」と前を向く。5年後、10年後に描く姿とは? 2021年の振り返りや新たな取り組みと合わせて、高山氏に話を聞いた。(聞き手:弊社代表取締役社長兼トラベルビジョン発行人 岡田直樹)

高山氏。2021年を表す3つの漢字と

-まず、2021年の総括をお願いいたします。

高山泰仁氏(以下敬称略) ある意味、リセットした1年でした。会社経営も4半世紀を過ぎ、良い意味でも、悪い意味でもリセットした感覚です。

-コロナ禍でも光通信およびインバウンドテックとの合弁会社立ち上げを発表されました。その背景と目的をお聞かせください。

高山 アフターコロナにおける国内外への旅行需要の回復に向け、旅行者へ快適なサービスを新たに提供することを目的として、2022年1月に合弁会社を設立することを決めました。旅工房による旅行割引特典などが受けられる「旅工房プレミアクラブ(仮称)」、光通信グループから提供される通信サービスを活用した国内旅行者向けのインターネットサービス「旅工房Wi-Fi(仮称)」、インバウンドテックからの協力で海外旅行者向け「旅工房グローバルWi-Fi(仮称)」および海外旅行先で使える通訳サービス「多言語コンシェルジュデスク(仮称)」のサービスの企画・提供を予定しています。

 いずれも、旅行事業の抜本的な見直しであり、異なる分野で利益を出すような考えではありません。旅工房の海外旅行のお客様は年間30万人ほど、法人企業で1000社ほどの契約がありますが、旅行以外に販路を拡大させることで、旅行事業の将来的発展を見据えた合弁事業です。

 プレミアム・クラブについては、月額350円のサブスクリプションとして、海外旅行で6000円の割引特典を提供する計画です。単に特典を提供するだけでなく、専用電話でご相談を受けるほか、アプリもリリースすることで、会員以上の価値を提供していきたいと考えています。

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