中小宿泊事業者にもDXを、一体型ホテルシステムを年内にローンチーAZOO代表取締役 横田裕子氏

脱エクセル管理、業務効率化と集客を1つのシステムで実現

 宿泊事業者を支援するソフトウェア開発やマーケティングコンサルティングを手掛けるAZOO(アズー)。2020年1月に京都で創業し、現在は中小の事業者の課題を解決する一体型ホテルシステムの年内ローンチに向けて最終調整中だという。宿泊事業者を支えることでインバウンドを増やし、経済を回す仕組みを作りたいという代表取締役の横田裕子氏に話を聞いた。(聞き手:弊社代表取締役社長兼トラベルビジョン発行人 岡田直樹)

横田氏

-まずは事業の概要とご自身についてご紹介をお願いいたします。

横田裕子氏(以下敬称略) AZOOでは、主に中小の宿泊施設を対象としたソフトウェア開発・販売と、大手ホテル向けにマーケティングコンサル業を行っています。

 当社はデザインも含め完全自社開発で、約30名のスタッフがフルリモートで働いています。直近ではセールスやカスタマーサクセスのチームに日本人が増えてきましたが、6割から7割は外国人スタッフで、世界各地からソフトウェアの開発を担当してもらっています。

 私は新卒でテレビ局へ入社しました。退職後インドネシアへ留学したことをきっかけに、環境省やJETRO、JICAといった行政機関で日本の中小企業の海外進出の支援を行ってきました。具体的には東南アジア諸国に向けた企業プロモーションや、日本のプロダクトの海外市場参入を目的としたマーケティングや事業開発です。

-一体型ホテルシステムWASIMIL(ワシミル)開発に至った経緯をお聞かせください。

横田 日本は人口減少が進んでおり、中小企業が生き残っていくためには海外の需要を取り込んでいくことが必要だと考えて海外進出のお手伝いをしてきましたが、そのなかで、実際に海外に支店を置けるのは中規模以上の企業のみで、小規模の企業には難しいということに気付きました。中小宿泊事業者をサポートするシステムを作ることで集客が増えれば、宿の周辺にあるお店にも観光客が訪れ、売上を伸ばすことができます。そしてインバウンドを増やして日本の中で経済を回す仕組み作りをしたいと思ったのが開発に至った経緯です。

 ターゲットは客室数が10室から100室ほどのホテル・旅館を想定しています。この規模の事業者にとって、大手ベンダーのシステムは高すぎて利用できません。また廉価版のシステムを繋ぎ合わせると結局固定費が増えてしまうことがありますし、そもそも自社でシステムを繋ぎ合わせることも簡単ではありません。このような問題を抱えている事業者に向けてサービスを展開できればと考えています。

 特に初期のターゲットとして考えているのは、顧客データを活用しゲストへのサービスやおもてなしを強化したい、サービス独自のコンセプトをお持ちでブランド力を高めたいホテル・旅館で、現在はこのような宿泊事業者とパートナーシップを組んでいます。

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