20代社員が振り返る今週のニュース ー JALの財務安全性
今回の会計士の視点は、前回のANAに続き、JALの財務諸表分析になります。
どちらも日本を代表する航空会社なわけですが、前回の記事と今回の記事を見比べるとJALとANAの共通している部分(≒日本における航空業界の状況)が、まずわかります。損益の状況はどちらも似ていて、国際線収入が壊滅的、国内線需要も大幅減少、固定費が下げきれない分だけ赤字というところ。
一方、監査法人が長期的にはコロナによる赤字を回収できるだろうと評価しているところもJAL・ANA共に共通していて、当然ながら倒産を心配するような状況では全くありません。
一方、業界の状況ではなく経営方針によって違いが出るところもあります。ANA「とにかくまず資金を確保できるだけ確保」するのに対し「必要な金額を必要な時に調達する」という方針がBSを見るとわかるというのが、玉置会計士の見解でした。
この違いにそれぞれどんなメリットデメリットがあるのか、素人考えではJALの場合利子などのコストが抑えられる一方、ANAは今後もしコロナが更にひどくなったり、それ以外の災害などが発生した時に事前に備えられるのだろうなと想像しますが、賢い方ならばもっと深い考察が色々とできるのでしょう。うーん、深い解説を聞いてみたい。
しかし、掲載される度にこのコーナーで【会計士の視点】に関しては触れていますが、ここまできちんと読むと財務諸表はかなり面白いですね。もっと細かいところまで自分で読めるようになったら更に面白いのでしょう。まあそう簡単ではないのでしょうが……
しかし、読める読めないに関わらず皆さん興味をお持ちなことはPVにもよく表れて、今週もトップ記事でした。考えてみたら経営者の方だって、自社と契約している公認会計士の方に「ちょっとJALの財務諸表分析してよ」とは言えませんし、そういう意味で貴重ですね。
若手のキモチ、短期連載の最終話は社名・本名掲載の岡さんです。最後らしく、前向きな意見や業界がどうあるべきか、若手と言われる人が真剣にこの業界を考えているのが分かっていただける記事になっていると思います。
そしてこれまで、4人の方にインタビューをさせて頂いて記事にさせて頂いたわけですが、これまでの方は皆さんまだ観光産業に残られている方でした。それぞれの意見をお持ちで私も非常に勉強になりました。
しかし、やはりこの業界をすでにさられた方の意見も気になる……ということで、去られた若手の方々へのインタビュー企画、進行中でございます。ご期待ください。