ハワイの「今」を駐在員の視点から-感染者数10人台の日も、オーバーツーリズムが切実に
夏休み本番の7月に入り、各メディアで既報の通り、ハワイは米本土からの国内旅行客で大賑わいとなっています。全米で進んだワクチン接種により急速に広まった人々の安心感。ハワイ州でも例外ではなく、さまざまな統計からも完全に感染拡大を抑え込んだ状態にあります。数ヶ月前では想像もつかなかった、コロナ後の世界に向け大前進したハワイの現状をレポートします。
ハワイにおける新型コロナウイルス感染状況
2021年7月2日のハワイ州の新規感染者数(7日間移動平均値)は、州合計で約43名と減少傾向にあります。また、最近では新規感染者数が1日14名という、昨年7月以来、1年ぶりに10人台という少数の日もありました。
市郡 | 陽性率 | 州全体 | ホノルル | マウイ | ハワイ | カウアイ |
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新規感染者数(4月) | 1.6% | 90.9名 | 63.4名 | 14.9名 | 4.1名 | 8.4名 |
新規感染者数(5月) | 1.1% | 51.9名 | 31.1名 | 6.1名 | 14.6名 | 0.1名 |
新規感染者数(6月) | 1.6% | 43.0名 | 30.0名 | 4.0名 | 5.0名 | 4.0名 |
夏休みになり人の移動が活発になっているハワイですが、昨年のように感染再拡大の兆候がないのは、ワクチンの効果だと思われます。
ただ、世界的に懸念となり始めている感染力の強いデルタ株については、ハワイでも6月22日に最初の感染者が確認され、直後の26日にはオアフ島で9例、マウイ島2例、ハワイ、カウアイ各島で1例ずつと、主要4島で感染が広まっていることも明らかになっています。州民は感染拡大や感染後の重篤化を防ぐためにもワクチン接種を行うよう呼びかけられています。
現在の規制緩和の状況
昨年9月の2度目のロックダウン解除後に「新規感染者数と陽性率」を基準として定められた計画、リオープニング・ストラテジー(ティア1~4まで)もワクチン接種のスピードアップ作戦により、見直されることになりました。
6月11日にティア4へと規制緩和された後にティア5が追加され、緩和基準も「感染者数&陽性率」ではなく「ワクチン接種率」へと改定されました。本稿執筆時点での接種率は58%ですが、順調に推移すれば7月8日にティア5へ移行、8月下旬には全面規制解除になるだろう、という明るい予測が出ています。
オアフ島におけるリオープニング・ストラテジー
ティア1 | ティア2 | ティア3 | ティア4 | ティア5 | 規制解除 | |
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新規感染者数(7日間平均値) | 100名以上 | 50名から99名 | 20名から49名 | 20名未満 | - | - |
陽性率 | 5%以上 | 2.5%から5%未満 | 1%から2.5%未満 | 1%未満 | - | - |
ワクチン接種率 | - | - | - | 50%以上 | 60%以上 | 70%以上 |
主に「密を避ける」ために集会人数制限が規定されており、ティア4の現在は屋内10名・屋外25名ですが、ティア5では屋内25名・屋外75名まで緩和されます。
一方、マスク着用に関しては、ハワイ州ではCDC(疾病対策予防センター)の規定より慎重な対応を続けており、現在もワクチン接種の有無に関わらず「室内では着用が必要」となっています。また、ソーシャルディスタンスの徹底も継続しています。そのためハワイでは7月上旬時点でも、米本土のメジャーリーグ中継の観客席で見られるような完全に元に戻った風景はなく、屋外でも密を避け、マスク着用で行動している方は少なくありません。
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