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台湾の新興航空会社スターラックス航空、コロナ禍でも日本就航で積極路線展開

昨年12月には台北/関西・成田線に就航
日本の旅行会社と関係強化を

―日本市場での流通戦略についてお聞かせください。

 JXはLCCではなく、FSCですので、日本の大手旅行会社との関係を重視していきたいと考えています。ホールセラーとパッケージツアーの造成にも取り組んでいきます。日台線の競争は非常に激しく、その中から選んでもらうためには旅行会社とのパートナーシップは欠かせません。

 JXは新参者で、知名度が高くありません。たとえば、設立した時、台湾の人たちでさえ、日本のスターフライヤー(7G)と混同していました。日本の消費者にJXを知ってもらうためにも、日本の旅行会社の手助けが必要になります。

 一方で、訪台日本人はリピーターやFITが多いので、ウェブサイトでの直販にも力を入れていきたいと考えています。直販とGDS流通とのバランスが大切になってくると思います。

―法人需要の取り込みについてはいかかでしょうか。

 基本的に、外国の航空会社が他国の法人需要を獲得していくのは難しいと考えています。どの国・地域も自国の航空会社を利用する傾向が強いためです。ただ、台湾と関係の深い日本企業へのアプローチは続けていきたいと思います。

―張国煒董事長(会長)はパイロットで、自らも操縦すると聞いています。

2020年12月15日の関空初便  張会長はメカニックからスタートして、2013年にボーイング777の機長ライセンスを取得しました。その後、JXを立ち上げ時にはA321の機長ライセンスも取得し、エアバスから同機を受領した際には、会長自らヨーロッパから台湾へのフェリーフライトを担当しました。また、台北/マカオ線を自ら操縦したほか、昨年12月15日の関西就航便、その後の成田線でも操縦しました。

―最後に、日本の旅行業界にメッセージをお願いします。

 航空会社をはじめ旅行業界に携わっている人たちは現在、非常に困難な状況にあります。旅行者は海外旅行の再開にまだ自信を持っていません。まだいつ本格的に海外旅行市場が復活するか分かりませんが、将来必ず旅行者は戻ってきます。その時のために、当社は全力で準備を進めていきます。旅行会社は当社にとって非常に重要なパートナーです。ポストコロナに向けて、今後とも日本の旅行業界の皆様と情報交換しながら、一緒にこの困難を乗り越えて、一刻も早くマーケットを復活させていきたいと考えています。

―ありがとうございました。