旅行業界のデジタル化、意欲あっても方法分からず-IDMアンケート第2弾

ウェブサイト開設は65%
費用対効果への不安大きく

 予算以外の変化を聞いた自由回答の質問では、「BIツールの積極導入による解析等を開始した」や「DXを社の今後の大きな柱の1つとして傾注していくことになった」、「LINEを活用した案件の提案が大幅に増えている」といった回答が寄せられている。

 また、オンラインのツアーやセミナーなどを実施した会社や、YouTubeで現地情報の発信を開始したオペレーターも。このオペレーターのYouTubeチャンネルでは、12月に登録者数が1000人を超えたという。さらに、「パンフレットをやめた」、リモートワークの浸透や「社内にITインフラ開発チームが新設された」ケースも報告された。

 このほか、「リアルのむすびつきの大切さを感じている」との声もあった。

「医療を支える旅行プラン」など意見も

 アンケートの最後では、アンケートの趣旨とは離れて旅行業界への提案なども聞いたが、ここではGo Toトラベルキャンペーンに言及する回答者が多く、「go to travelがコロナ増大の原因であるとの責任転嫁に業界より強く反論して欲しい」や「制度不備や不公平な運用等、辟易している。中小旅行会社がGoto弱者として淘汰されつつあるが、本来淘汰されるべきは、デジタル化に遅れている大手旅行会社であると思う。ルールを決める側の旅行会社が有利になるに決まっている」といった回答があった。

 また、医療機関の窮状とGo Toが対立構造で描かれている現状を危惧し、「医療vs旅行とならないよう、医療に貢献(寄付)などする旅行プランの充実などで双方のメリットとコロナ収束に寄与できる形が必要」というアイディアや、海外旅行を中心に扱っていた旅行会社からの「このままだと野垂れ死に」という悲痛な声も投稿された。

 このほか、「デジタルマーケテイングも重要だが、コロナ終息後の高齢者旅行もこれまでと違った視野で考慮すべき」や「どうしても旅行業は、リアルでないと難しい。ただ、コロナ後、今までの販売形態は、一気にしぼんでいくことが予想されるため 大改革を進めると同時に会社間の統合をすすめる必要がある」といった予想も。

 さらに、未だにFAXでしか予約が取れない会社があったり、「いまだにマンパワーのみに頼る労働集約的な構造」があったりする点を課題として指摘する意見も見られた。