HIS、2月取扱高は1桁減、コロナ影響を欧州などがカバー
エイチ・アイ・エス(HIS)の今年2月の旅行取扱実績によると、海外・国内・訪日旅行の3部門を合計した総取扱額は前年比8.9%減の380億4877万円となった。HISと同社グループ5 社の社内取引を相殺した取扱高を合計したもので、今般の新型コロナウイルスの感染拡大により、主力の海外旅行は5.3%減の320億4791万円。国内旅行は3.7%減の53億1008万円で、訪日旅行については訪日中国人旅行者の大幅減により71.1%減の6億9079万円となった。
海外旅行は中国全土、香港、マカオに関して、外務省が1月末に感染危険レベルを2に引き上げたことを受け、主催ツアーをキャンセルとしたことが響いた。一方、ヨーロッパではフランスが31%増、スペイン・ポルトガルが12%増と好調で、ハワイも12%増となり感染拡大の影響をカバー。全体では1桁%の落ち込みにとどまった。
エリア別では「ハワイ・ミクロネシア」が11.9%増、「欧州・中近東・アフリカ」は4.6%増となったものの、その他は減少。「アジア」は19.6%減、「オセアニア・南太平洋」が10.2%減、「北米・中南米」は8.9%減だった。
商品別では企画旅行が2.7%減、手配旅行が6.9%減でともに減少。販売チャネル別では、オンラインが7.4%増と引き続き増加した一方、店舗は4.9%減となった。
このほか、国内旅行は沖縄が4%増となるなど順調な方面もあったものの、観光バス運転手の新型コロナウィルス感染報道を受けて懸念が広がったバスツアーが23%減となるなど、全体的に低調に推移した。訪日旅行は、1月末に中国で始まった団体旅行などの禁止措置に加えて、2月からの日本における中国発旅行者の入国制限により、中国からの受客が大幅に減少した。
なお、HISは観光庁が毎月取りまとめている「主要旅行業者の旅行取扱状況速報」への取扱額の提供を、昨年11月分から非公開としたところ。あわせて集計基準を「日本における旅行事業のみ」に変更し、「外国人旅行」の区分名も「訪日旅行」に改めている。