週間ランキング、1位はツアコン大賞、ルックJTBの20年度商品も
[総評] 今週は、「第14回ツアーコンダクター・オブ・ザ・イヤー2019」の表彰式とその後のパネルディスカッションについてお伝えした記事でした。添乗員に焦点を当てたコンテンツは常に一定の人気を得ていて、今回も順当な結果となりました。
頻繁にデスティネーションを訪問する添乗員の皆様が持つ知識やご経験は、旅行業界内に存在する最も価値のあるものといっても過言ではないでしょう。
オンラインで完結するような商売は、テクノロジーの進歩に合わせて次第にデフラグされていって、必然性のないサービスは自ずと淘汰されていくことになるはずです。オンライン系の多くの企業は生殺与奪の権利をGoogleに握られているでしょうし、また例えばサプライヤーがオンライン、オフラインを問わず旅行会社やメタサーチなどの中間業者を排除したいと望む限り、テクノロジーはそれを助けるでしょう。
しかし、添乗員が現地で見聞きした物事や感覚、お客様の反応などの情報はそう簡単にデジタル化できるようなものではなく、しかもそれぞれが単体で存在すればいいというものでもなく、人間の脳のなかで有機的に結びつくことによってより重要な価値を持つわけです。
しかもしかも、例えば食の好みがそうであるように正解はひとつではないですので、AIだ機械学習だとは言ってもそれらの部分が置き換わるような姿はなかなか想像できません。長く添乗を経験されて引退されていく方々のそういった知見や経験則を、どうにかして後々にも使えるようにできないものかと思ってしまいます。
ちなみに、現地を知るという意味では7位のルックJTBの記事でも取り組みを紹介しました。強化方面の欧州とハワイへそれぞれ数百名を研修に送り出すというもので、さすがの規模感です。どのように費用が発生するかわかりませんが、仮に100名で10万円でも1000万円となるわけですから全体では相当な額でしょう。
消費者と旅行会社従業員の知識量のアンバランスという課題の根の深さを思い出すと、「1回や2回行ったからといって」という冷笑的な感想もありえますが、何かをしなければ何も変わりません。今後は、そうしたお取り組みの成果や課題などもお聞きしていきたいところです。
なお、今週はこのほか、ジェットスターグループとタイガーエア台湾(IT)がインターライン契約を締結したニュースをお届けしました。LCCによるインターラインというのも珍しい気がしますが、世の中にはすでにバーチャルインターラインなる技術というか販売方法も出てきており、今回のニュースはそのような変化がますます日本でも見えてくることの証左かもしれません。(松本)