チャットで海外の旅行会社と日本人を直結、knowteの「Oooh」

楽天出身者によるスタートアップが新サービス
現地パートナーがリーズナブルな手配旅行を提供

-集客増に向けて、他社との提携などは考えていますか
(左から)山上氏、山下氏 山下 当面はそういった考えはない。今は規模を追う段階ではなく、とにかくサービスの肝である、現地側のサービスと相談対応の質を高めることが何よりも大切と考えている。規模の拡大はオペレーションをしっかりと固めてからだ。

 その点においては、すでに利用者から嬉しい評価を得られている。ある利用者はOoohを使ってインドを旅行した際に、ホテルや専用車、ガイド、観光スポットの選定などすべてに非常に満足し、帰国後には旅行記を寄稿していただいた。早速、立ち上げたばかりのオウンドメディアである「Oooh Magazine」に掲載したが、このような評価を積み重ねていくことが重要だ。ちなみにこの旅行の、日本からの往復航空券を除いた総額は、ホテル、専用車、ガイドに加えて、インド国内線のフライト、夜行列車などをすべて合わせても、1人あたり10万円程度だった。

 なお、当社の立場は「プラットフォームの提供者」だが、これから発生するかもしれないパートナー企業と利用者の間におけるトラブルについては、パートナーと役割を分担しながら、サポートできることは可能な範囲ですべて取り組みたい。トラブル対応をすべてパートナーに任せていては、顧客満足度は高まらないと思う。

-Ooohでは日本の旅行者と現地の旅行会社の間で手配旅行契約を結ぶことから、現時点でknowteは旅行業登録を取得していませんが、年内には第3種旅行業を取得する予定と聞いています。その理由と、日本の旅行業法に対するご見解についてお聞かせください

山下 まず、現在のビジネスモデルを遂行していく上で旅行業登録は必要ないし、直近の何らかの取り組みのために第3種を取得しようとしているわけでもない。それよりも、今後の事業拡大にあたり柔軟なサービス設計を可能にするため、そして利用者およびパートナー企業の多様なニーズに応えるため、さらには旅行業登録を持っていないことでビジネスのポテンシャルを失うような事態を回避するために、第3種を取得する意味合いが強い。

 現在の旅行業法に関して、日本の旅行会社やOTAが受ける制約を海外のOTAが受けていないことについては、正直なところ違和感を覚えている。グローバルな勢力との競争が激しくなるなかで、日本の会社だから後れを取ったり、ブレイクスルーできなかったりする状況は、できるだけ避けていただきたいと思う。

-今後の目標をお聞かせください

山下 近いところでは、Oooh Magazineの掲載記事を10月中に数十件まで増やしたい。先ほど紹介した利用者の旅行記などを、インドやベトナムあたりからどんどん増やしていく。

 まずは2.8兆円に上る日本人の海外旅行市場でサービスを確立するが、残念ながら日本人の旅行市場は今後頭打ちになると見られるので、その後は3.7兆円の訪日外国人市場にも取り組む。最後は180兆円規模のグローバル市場へ打って出たいので、来年からはそのための布石を打っていく。5年以内にはグローバル市場に挑戦したいと考えている。

-ありがとうございました