チャットで海外の旅行会社と日本人を直結、knowteの「Oooh」
楽天出身者によるスタートアップが新サービス
現地パートナーがリーズナブルな手配旅行を提供
海外のランドオペレーターなどをフランチャイズ化し、インターネット上で日本の旅行者に販売する仕組みを作った、日通ペリカントラベルネット(関連記事)なども知ってはいたが、チャットサービスが発達している現在とはビジネス環境が大きく違うと考えている。
山下 サービスの開始時には「ベトナム・カンボジア」「インド」「香港・マカオ」の3エリアで、それぞれ現地の旅行会社1社をパートナーとした。選定にあたっては基本的に過去の実績を見て判断しており、いずれも20年以上の歴史がある。規模については4人や5人で運営している会社もあれば、70人以上の会社もある。
パートナー企業とは、提携する前に必ず面談もしくはテレビ会議を実施する。日本人旅行者と直接、確実にコミュニケーションができる、日本人または日本語力を備えたスタッフがいる旅行会社だけを選定している。もちろん、しっかりとした法人格を持ち、旅行業に関して現地の法律に基づく認可を取得している会社であることが前提になる。各エリアのパートナー企業は1社に限定する気はなく、複数の会社にサービスを競ってもらいたいので、利用者による評価を公表できるシステムも、なるべく早く開発するつもりだ。
すでにヨーロッパや北米、中南米、アフリカなどからも数十件の問い合わせがあるので、年内には対象エリアを大きく拡大したいと考えている。アジアについては台湾やタイ、シンガポールなどもカバーしたい。
山下 開始からの約1週間におけるウェブサイトの訪問者数は1000人ほどで、そのうち成約は数十件だった。スタートして間もないので数は少ないが、コンバージョンレートは一般的なOTAなどと比較して非常に良く、順調な滑り出しと言える。
チャットでの相談もうまく行っていて、チャットにまで辿り着くことができければ、成約率はかなり高くなる。パートナー企業が親身になって対応すれば、提案をそのまま受け入れてもらえるケースも多く、「送迎も付けましょうか」といったアップセルもしやすいようだ。
現状では、チャットに辿り着いてもらえる率がそれほど高くないと考えている。サービス対象エリアがまだまだ少ないので、希望する目的地が取扱対象となっていなければ離脱してしまうのは仕方がない。逆に今後、対象エリアを広げれば、チャットに辿り着く利用者は増えるだろうし、そうなれば全体のコンバージョンレートもさらに向上すると見ている。