UA、2回目の「EXPO」開催-多様な価値観の女性旅の最新トレンドを紹介
30代・40代女性の旅行の実態は?-ゲストスピーカーが講演
ゲストスピーカーによる特別講演の前半は、電通アイソバーでプランニングディレクターを務める秋山奈央氏が「いまどき、旅はどのように語られているのか。デジタル時代のリアル」と題して実施。
秋山氏はまず、30代の女性を対象とした調査の結果を紹介しながら、デジタルツールがどのようにして旅行と関わっていくのかについて説明。「スマートフォンの利用は拡大しているが、アプリの利用個数は数年前と変わっておらず、利用数などの『量』のみだけでなく、サービス利用の深さやエンゲージメントなどの『質』も重要」と述べた。
また、30代女性の特徴として「雑誌やインスタなど日々多くの情報に晒されている中で、自分に合った旅行の情報を自ら探し、ストックしている。このストックが一定量を越えると『旅行に行きたい』動機となる」と説明。続けて「彼女たちは旅行中もオンラインであり、地図アプリやハッシュタグ検索など常にインプットしていると同時に、インスタ投稿などのアウトプットをしている」と説明。最近はインスタ映えをねらった投稿よりも24時間で自動削除され、気楽に投稿できるインスタストーリーを利用する傾向があるという。
秋山氏は30代女性へのアプローチとして、彼女たちの隠れた心理を洗い出し、興味を持つポイントを考え、デジタルの活用によって、ユーザーごとの最適なコミュニケーションを取ることでエンゲージメントを高め、長期的な関係を構築していくことがポイントと締めくくった。
後半は、「変化する旅のスタイル-トレンドを熟知した雑誌編集長が語る最新の動向」と題し、小学館Advanced Time編集長の守屋美穂氏が登壇。「多様化する女性の旅スタイル」をテーマに、30代から40代女性の旅スタイルがどのように変化してきたのかを、雑誌編集をしてきた守屋氏の目線で説明した。
守屋氏は「10年くらい前はハワイが1番人気で、ハワイに関する特集をしていれば雑誌は売れた」が、その後は女性が旅をする目的が徐々に変化し、4時間から5時間程度で行けるアジアの“女子旅”など、旅をする場所や楽しみ方の選択肢が増えてきたのだという。
守屋氏は30代から40代の女性を「30代キャリア層」「30~40代ママ層」「40代キャリア層」に分け、特徴とポイントを説明。30代キャリア層は「自分を成長させてくれる」経験とショッピングがポイントで、次回の旅へのモチベーションを形成して帰国する。特にニューヨークが好みで、大人になったと思わせてくれる都市だという。
「30~40代ママ層」は家族旅を満喫して一生の思い出を作りたいが、コスパには厳しい。「子連れGUAM」という本がSNSから拡散して同セグメントの支持を受けているといい、「今までこの層に対するグアム旅行の行動サンプルがなかったのでは」と分析した。
さらに「40代キャリア層」は、自分のセンスに合い我慢することなくカスタマイズをして旅をしたいという欲求があり、大人だけれど好奇心旺盛で、他の人が行ったことのない場所に行く傾向にあり、カード会社のコンシェルジュを利用することが多いという。
「ひとりで旅をする、パートナーと海外へ行き、その場所で自分も何かを仕事したいと考える女性も増えてきた。思い出づくりやエンタテインメントを楽しむために旅をするのも良いが、自分のライフスタイルに合わせて、何か学びを得るために旅をするのも悪くない」と守屋氏は強調した。