旅行業・観光業DX・IT化支援サービス

鶴岡の老舗旅館「萬国屋」の元経営会社が特別清算、負債32億円

  • 2019年4月23日

 東京商工リサーチ(TSR)によると、山形県鶴岡市で温泉旅館「萬国屋」を経営していたミリオン(旧社名:萬国屋)はこのほど、山形地方裁判所鶴岡支部から特別清算開始決定を受けた。負債総額は約31億6800万円。

 「萬国屋」は創業から300年以上の歴史を誇る、庄内地域を代表する温泉旅館。会社設立は1981年で、94年には多額の資金を投じた新館がオープンし、その効果から96年12月期には売上高約36億1300万円を計上した。

 しかし、その後は長引く景気低迷の影響から団体客の減少や客単価の下落が進み、多額の有利子負債を抱えるなか、慢性的な赤字で債務超過に。今年2月にはメインバンクの主導により、第二会社方式による会社分割で山形県トップの温泉旅館「日本の宿 古窯」を運営する旅館古窯に経営権を譲渡し、新たに設立した別会社の萬国屋が営業と従業員を承継した。従来の萬国屋は現商号に変更して今回の措置となった。