全日空のA380が就航間近、ハワイアン宍戸氏が語る対抗策
相棒はANAからJALへ、共同事業に大きな期待
上級副社長の東京駐在で営業体制強化
宍戸 NHとは良きパートナーだったが、NHはユナイテッド航空(UA)とJVを実施しているため、事業の方向性が違ってきていた。また、NHのホノルル線へのA380型機導入決定も大きなインパクトがあった。そのような状況のなかで、ハワイ路線においてパートナーのなかったJLと我々の方向性が一致した。NHのA380型機についてはかなり話題性が大きいと思う。ハワイのマーケット全体が拡大してくれることを望むが、競争環境が厳しくなることも確かだ。
HAは今年11月で創立90周年を迎えるが、お客様をただ運ぶだけではなく、お客様にハワイの文化を伝えることも役割として担ってきた。今後もその役割に取り組む考えで、昨年の12月21日に就航2周年を迎えた週3便の羽田/コナ線では、ハワイ語で搭乗案内や機内アナウンスなどをおこなう「オレロ・ハワイ・フライト」を実施し、非常に好評だった。このようなHAにしかできないことをこれからも追求し、サービスに落とし込んでいきたい。
宍戸 就航後は順調に推移し、搭乗率も80%から90%くらいを維持していた。しかし昨年5月のキラウエア火山の噴火以降は、年末まで需要が落ち込み、搭乗率は噴火前と比較して20ポイントほど落ちた。しかし、今年に入ってから順調な回復を見せており、ほぼ噴火前の状況に戻っている。
パートナーであるJLも成田からコナ線を運航しているが、JL便は夕方発で、HA便は羽田を深夜に出発するため、棲み分けはできている。ホノルル線に関しても同じことが言えるが、成田と羽田で多くの選択肢を提供できていると思う。ハワイ島を含めた隣島の販売については、JLと協力するとともにハワイ州観光局(HTJ)ともしっかり連携していく。
宍戸 去年あたりから順調に伸びてきている。他の路線と比べるとハワイからの訪日客が多いのが特徵で、ハワイの人々にとって北海道は、ハワイでは体験できない気候や食事などで人気のデスティネーションとなっている。今年2月の「さっぽろ雪まつり」の時期には、週3便から週5便に増便した。
アウトバウンドについては、他路線では日本発の利用者が8割を超えるところを、新千歳線は7割程度にとどまるが、北海道だけでなく東北の需要も取り込んでいる。