全日空のA380が就航間近、ハワイアン宍戸氏が語る対抗策
相棒はANAからJALへ、共同事業に大きな期待
上級副社長の東京駐在で営業体制強化
ハワイアン航空(HA)は昨年9月、全日空(NH)とのパートナーシップを解消し、日本航空(JL)と包括的業務提携を締結した。現在はジョイントベンチャー(JV)の開始に向けて準備を進めているが、その戦略転換の大きな要因となったのは、NHの成田/ホノルル線へのA380型機投入だったという。今春以降、ハワイ路線での競争が激化が予想されているなか、HAは同社の国際線において半分以上のシェアを占めるという日本でどのような事業展開をはかるのか。日本支社長の宍戸隆哉氏に今後の展望を聞いた。
宍戸隆哉氏(以下敬称略) マーケットが大きく変化し、HAにとっては日本での長期的な戦略を考える上で大切な5年半だったと思う。HAは10年11月の羽田再国際化にあわせて日本に就航したのち、16年の7月に成田/ホノルル線、12月には深夜早朝枠で羽田/ホノルル、コナ線に就航するなど、16年末までに日本/ハワイ線を週31便にまで拡大した。現在の日本/ハワイ間におけるHAのシェアは20数%で、JLに次ぐ規模を誇る。あわせて、就航地である東京、大阪、札幌に営業社員を置き、事業体制も強化してきた。
そのほかに大きかったのは、17年9月にJLと合意した包括的業務提携だ。それに伴って18年3月からコードシェアを開始し、10月にはマイレージの提携も始め、HAにとっては大きなステップになったと思う。コードシェアについては、お客様にとって選択肢が増えたことが大きかった。新千歳/ホノルル線はHA便、中部/ホノルル線はJL便と、提携によって補完しあうことでネットワークが拡大した。
JVに向けては、18年6月に日米両政府に対して独占禁止法適用除外(ATI)の申請をおこない、現在は許可を待っている状態だ。許可されれば日本路線だけでなく、JLがネットワークを持つアジアのマーケットにもアプローチすることができるほか、プロダクトやスケジュールなどの面で選択肢が増え、サービスの向上につながると期待している。