ANAビジネスジェット、業務渡航の取込強化-まずは欧米での利用促進へ
ターゲットは企業のトップ
旅行会社との協力で日本市場の市場拡大はかる
代金は米国・欧州3区間周遊で200万円程度
料金はエリアチャーターの場合、ホンダジェットなどの小型機で3区間を周遊すると200万円程度。佐々木氏は例として、シカゴからコロンバス、デトロイトを経由しシカゴに戻るルートや、フランクフルトからニース、ミラノを経てミュンヘンに行くルートを挙げた。グローバルチャーターの場合は日米間の往復が3000万円から4000万円程度で、日本/ウラジオストク間やソウル間は往復800万円程度。韓国は日帰りも可能だ。
なお、ビジネスジェット機内の客室乗務員はNHの社員ではなく、ビジネスジェット専門の乗務員。機内食についてはケータリングなどを利用し、自由にカスタマイズできる。
ビジネスジェット利用の申し込みは原則として出発日の1週間前まで。ただし、機材の空きがあれば、エリアチャーターで2、3日前、グローバルチャーターで1、2日前でも手配可能という。
旅行会社は市場拡大のビジネスパートナー
ANAビジネスジェットでは、自社での営業活動に加え、旅行会社経由での販売も積極的に実施し、旅行会社の法人顧客の取り込みをはかる。野村氏は、業務渡航で企業のニーズを把握し、ホテルや現地の交通、レストランの予約など全行程を管理するのは旅行会社で、ビジネスジェットのチャーター利用はあくまで旅程の一部であることを強調。「お客様からのお問い合わせの対応から契約まで旅行会社との連携は欠かせない。旅行会社とはビジネスパートナーとしてWin-Winの関係を築きたい」と語った。
同社では昨年10月にJTBと業務提携契約を締結しており、そのほかにもインハウスなど旅行会社10社以上と提携。旅行会社には、企業の業務渡航や富裕層の海外旅行の際、ビジネスジェットの利用を提案してもらいたい考え。旅行会社からも「ビジネスジェットを取り扱いたいので、勉強会を開いてほしい」と積極的な声が挙がっており、今年中にはJTBビジネストラベルソリューションズなどを対象に勉強会を開催する予定だ。
旅行会社がビジネスジェットを手配する場合は、旅行会社はANAビジネスジェットにチャーター手配を委託する。それを受け、ANAビジネスジェットはビジネスジェット運航会社と契約を締結し、旅行会社に見積もりをネット価格で提示。旅行会社は自社が定める手数料を追加し、利用者に提案する方式をとる。なお、日本発着チャーターの場合は、チャーター用機者からANAビジネスジェットにビジネスジェットの手配などアレンジを委託する委任状を受け取った上で手続きを進める。野村氏は「我々と利用者、旅行会社の3者間のコミュニケーションをとって連携して進めていきたい」と話した。