田端新長官、観光ビジョン実現に向け抱負「高次元施策を一気に」
7月31日付で新たな観光庁長官に就任した元国土交通省審議官の田端浩氏は8月22日、初めての記者会見を開催し、2020年の訪日外客数4000万人・消費額8兆円を目標に掲げる「明日の日本を支える観光ビジョン」の達成に向けて、複数回にわたり「高次元の施策を一気呵成に進める」と強調した。1月7日に徴収が始まる国際観光旅客税(いわゆる出国税)による財源を「ストレスフリーで快適に旅行できる環境の整備」など3分野に投入し、訪日旅行の振興などにより「観光先進国化」をめざす考え。
田端氏はこの日、一般誌向けと業界誌向けにそれぞれ会見をおこない、このうち業界紙向け会見では双方向交流の活性化の重要性についても強調。「我が国の外交戦略として重要で、結果的には訪日旅行に効果があり、訪日旅行の評判は国内旅行の活性化にもつながる」と展望を示した。
同庁の「若者のアウトバウンド活性化に関する検討会」が7月にまとめた「海外体験」の増加のための取組案については、「分析だけにとどまらず、今後どのようにすべきかを産業界とともにしっかり考えたい」と方針を説明。これまで自身が観光に加えて、幅広い分野の国土交通行政に携わってきたことについて述べた上で、「関係省庁や産業界などと緊密に連携し、各方面に理解を求め、効果を挙げていきたい」と意欲を示した。
そのほかには記者団の説明に答えるかたちで、地方への送客や、2次交通の拡充など旅行者受入体制の強化、オーバーツーリズム対策、働き方改革など多岐にわたる課題に注力する考えを表明。「観光政策の司令塔としてうまくコーディネートしたい。役割は大きい」と抱負を語った。
田端氏の略歴は下記の通り。
▽田端浩氏の略歴
1981年4月/運輸省採用
1988年4月/運輸省 貨物流通局複合貨物流通課補佐官
1990年9月/運輸省 航空局監理部航空事業課補佐官
1992年9月/運輸省 大臣官房人事課付(外務研修)
1993年2月/外務省 在オーストラリア日本国大使館一等書記官
1996年6月/運輸省 大臣官房人事課補佐官
1996年8月/岡山県 警察本部警務部長
1998年7月/運輸省 大臣官房文書課企画官(兼)大臣官房企画官
1999年6月/運輸省 自動車交通局企画課道路交通活性化対策室長
2000年7月/運輸省 鉄道局総務課鉄道企画室長
2001年1月/国土交通省 鉄道局総務課鉄道企画室長
2002年4月/国土交通省 総合政策局観光部旅行振興課長
2004年7月/国土交通省 自動車交通局旅客課長
2006年7月/国土交通省 航空局飛行場部監理課長
2007年7月/国土交通省 大臣官房参事官(人事担当)
2008年7月/国土交通省 大臣官房人事課長
2009年7月/国土交通省 観光庁観光地域振興部長
2011年9月/国土交通省 大臣官房審議官(鉄道局担当)
2012年9月/国土交通省 鉄道局次長
2013年8月/国土交通省 自動車局長
2015年7月/国土交通省 大臣官房長
2016年6月/国土交通省 国土交通審議官