全日空、マニラ線も機材変更、シドニー線に続き-B787問題

  • 2018年4月20日

NHのB787型機  国土交通省がこのほど、ロールスロイス製エンジン「トレント1000」の一部を搭載したB787-8型機とB787-9型機に対して、運航条件に制限を設ける耐空性改善通報(TCD)を発出したことを受けて、該当する機材を使用している全日空(NH)は4月19日付けで、21日から5月6日までの羽田/マニラ線の使用機材を変更すると発表した。通常は全246席のB787-9型機で運航するところを、該当するエンジンを搭載していない全240席のB787-8型機に変更する。発着時間に変更はない。今後の状況次第ではB787-8型機以外への変更の可能性もあるという。

 また、すでに4月20日と21日の機材変更について発表していた羽田/シドニー線についても、5月7日までの機材変更を発表。マニラ線と同様にB787-9型機をB787-8型機に変更するもので、羽田発便のみ6日までの変更としている。同じく発着時間に変更はない。

 両路線ともに現時点で機材変更による大幅な座席数減はないが、機材変更後のB787-8型機にはプレミアムエコノミークラスを設けていないため、一部の利用者にはメールや電話などで事前に連絡し、都度変更や返金などに応じるという。同社はそのほか、機材変更に伴いビジネスクラスの座席の仕様なども変更される可能性があることを説明している。

 NHはB787型機を64機保有しているが、その半分近い31機が対象エンジンの搭載機。今後、新たに影響が発生する路線については、順次ウェブサイトなどで発表する。問い合わせはコールセンターの「ANA国際線予約・案内センター」で受け付ける。なお、NH広報によれば、今回のTCDにより機材を変更する路線は、現時点ではこれらの2路線にとどまる見通し。

 今回のTCDでは、長時間運航によりエンジンの劣化が進む可能性があることから、エンジン2基のうち1基が停止しても飛行可能な時間を最大207分から最大140分に制限。ちなみに日本航空(JL)のB787型機はGE製エンジンを搭載しており、TCDの対象外となっている。

▽NH、機材変更の実施便(4月21日~)
NH879便 HND 22時20分発/SYD 08時45分着※翌日(4月21日~5月6日)
NH880便 SYD 20時55分発/HND 05時30分着※翌日(4月21日~5月7日)
NH869便 HND 09時45分発/MNL 13時30分着(4月21日~5月6日)
NH870便 MNL 14時40分発/HND 20時00分着(4月21日~5月6日)