外務省、米国のエルサレム「首都」認定で注意喚起、広域情報も

  • 2017年12月7日

 外務省は12月7日、米国がエルサレムをイスラエルの首都と承認し、大使館をテルアビブからエルサレムに移転する大統領布告を発出したことを受け、注意喚起のため、海外安全ホームページでイスラエルにスポット情報を、世界各地の米国の在外公館を対象に広域情報をそれぞれ発出した。スポット情報では、現地ではパレスチナ諸派が12月6日から8日までを「怒りの日」とし、パレスチナ自治区の全都市の中心地で集会を実施し、米国大使館や総領事館の前で座り込みをおこなうなど抗議活動を計画していることを説明。毎週金曜日には、各地のモスクで大規模な集団礼拝がおこなわれることから、デモや衝突などが懸念されるという。

 こうした状況を踏まえ、外務省では旅行者などに対し、現地の報道機関や在イスラエル日本国大使館のウェブサイトなどから最新の情報を入手するとともに、デモや衝突が発生する可能性のあるエルサレム旧市街などには近寄らないこと、テロの標的となりやすい路線バスや路面電車の利用は極力避けること、観光施設など人が集まる施設や、宗教や軍・警察関連施設、米国政府関連施設などに近づく際は注意して行動するよう呼びかけている。なお、イスラエルとパレスチナの一部にはレベル3の渡航中止勧告が発出されている。

 一方、広域情報では、米国が世界各地にある在外公館に対し、警備を強化するよう指示したという報道があったことを紹介し、世界各地で米国を対象にした抗議集会が発生し、暴動などに発生する可能性も否定できないとした。その上で旅行者などに対し、米国の公館や関連施設の周辺への立ち入りはなるべく控え、訪れる際は不測の事態に巻き込まれないよう注意するよう呼びかけている。