アウト促進協、EXPOで第2回総会、各部会が進捗状況報告
日本旅行業協会(JATA)のアウトバウンド促進協議会(JOTC)は9月21日、「ツーリズムEXPOジャパン2017」の会場内で第2回の全体会議を開催し、各部会による活動報告などをおこなった。JOTCは海外旅行の促進と会員企業の利益確保をめざし、今年2月に設立した会議体で、JATAによれば設立時の会員数は122社・団体だったが、8月15日時点で144社・団体にまで増加。冒頭で登壇した会長の菊間潤吾氏は会員数の増加に喜びを示すとともに、「旅行会社、観光局、大使館、航空会社、ツアーオペレーターなどがBtoBでしっかり連動し、付加価値の高い商品を造成していくことが業界にとって必要なこと」と語った。
JOTCは2020年の出国者数の目標として、16年比約288万増の2000万人をめざしているところ。方面ごとに6つの部会を設けてそれぞれ増加数の目標を設定しており、トルコとイスラエルを含む「欧州部会」は43万人増、中国・韓国・台湾からなる「東アジア部会」は211万人増の900万人、「アジア部会」は80万人増の720万人、「北中南米部会」は28万人増、「中近東・アフリカ部会」は2万人増、「オセアニア・大洋州部会」は31万人増の90万人をめざしている。欧州、北中南米、中近東・アフリカについては16年の日本人訪問者数を公開していない国もあるため、増員数のみの目標。
各部会の目標数値を合計すると2106万人となるが、JATAによれば「JATAとMOUを締結している国の目標をすべて達成する前提のもと、各部会で高めの目標を据えた」という。17年の出国者数について菊間氏は、北朝鮮のミサイル発射やメキシコの大地震、ロンドンのテロ事件、10月に控える衆議院選挙の影響などの懸念があるものの「1800万人台になるのでは」と見通しを語った。日本政府観光局(JNTO)によれば、1月から8月までの出国者数は前年比5.6%増の1179万2400人。
なお、今回の会議には外務省領事局邦人安全課課長の石瀬素行氏も出席し、海外旅行における安全対策について講演。「我々は旅行者に現地の状況を説明し、アドバイスするパートナーを真剣に求めている」と、旅行会社や観光局などに協力を求めるとともに、「日本人は『注意してもらう』ことに慣れている」との考えから、情報をきめ細かく日本人に提供する必要性を示した。そのほかには、国土交通省航空局航空ネットワーク部航空事業課長の大沼俊之氏が、「20年の交流人口6000万人を見据えた航空政策」をテーマに、羽田や成田の発着枠増枠に向けた取り組みなどを紹介した。
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