アウト促進協、EXPOで第2回総会、各部会が進捗状況報告
▽東アジア部会は「美しい村」参考に「台湾30選」-北中南米部会も
この日は、各部会がこれまでの活動と今後の方針について説明。欧州部会長でグローバルユースビューロー会長の古木康太郎氏は、15年に選定した「ヨーロッパの美しい村30選」に加えて、今年8月に発表した「ヨーロッパの美しい街道・道20選」などを打ち出す方針をアピールした。このうち「美しい村」については、17年度上期(4月~9月)には前年比26.1%増の2万4217人が訪れており、「ツアー企画にとって重要な素材になっていることが分かる」と強調。下期(10月~18年3月)には46.3%増の1万5809人をめざすとした。このほか、観光局などと協力して旅行会社向けに研修旅行を実施する予定を説明。消費者向けには、10月に開催される実践女子大学の文化祭に出展する。
東アジア部会長でジャルパック代表取締役社長の藤田克己氏は、「台湾・中国・韓国は出国者数の4割を占める市場。責任重大だが、頑張って取り組みたい」と改めて意欲を示した。20年までの目標として、台湾は16年比11万人増の200万人、中国は80万人増の350万人、韓国は120万人増の350万人をめざす。このうち台湾については「美しい村」を参考に、「世界遺産級 台湾総選挙30選(仮称)」を選定する計画で、藤田氏は「成熟市場の台湾で、新たなデスティネーションを発掘したい」と語った。10月に投票を開始し、11月に30選を決定。12月にはファムツアーを実施し、来年以降の商品化をめざす。
このほか、中国については「主要な旅行会社10社の取扱人数が60%増と好調に推移している」と報告。一方で韓国は、北朝鮮のミサイル発射問題などで需要が減少しているため、韓国観光公社(KTO)と協力して、引き続き送客増に努める考えを示した。
アジア部会長で阪急交通社代表取締役社長の松田誠司氏は、「チャーター」「地方発」「プランナー企画」「周年」「若者」など7つのテーマで活動していることを説明。「チャーター」については、同部会として18年度下期にシェムリアップへのチャーター便を利用したツアーを計画していることを明らかにした。「プランナー企画」についてはインドシナ諸国のセミナーを1月以降に実施し、商品化をめざす。「周年」は、17年度は日・タイ修好130周年であることから、タイへのファムツアーなどを引き続き実施するという。
北中南米部会長でJTBワールドバケーションズ代表取締役社長の生田亨氏も、詳細については明かさなかったものの、欧州の「美しい村」を参考にした活動を検討していることを説明。ハワイについてはハワイ州観光局(HTJ)と協力し、隣島への誘客を強化する考えを示した。ハワイアン航空(HA)と日本航空(JL)が相次いでコナ線を開設したことから「路線を維持するため、JATA一眼で取り組む」という。ミクロネシアについては、このほどデルタ航空(DL)が成田/グアム線の運休を発表したことについて触れ、「座席供給量の減少が課題。部会で議論を深めていきたい」と語った。
中近東・アフリカ部会長で日本橋トラベラーズクラブ代表取締役の西山徹氏は、治安やインフラの面で課題があり、現地情報の収集の強化が必要な同エリアを「旅行会社の真価が最も出やすいエリア」と強調。日本に観光局があるドバイや南アフリカ共和国、渡航者数が多いエジプトを中心にアピールする方針を示した。今後は現地のツアーオペレーターなどが発信する情報や、外務省の危険情報などをJOTCのウェブサイトに掲載し、旅行会社が活用しやすくすることを検討しているという。
オセアニア・大洋州部会は、同部会に設けた小部会「オセアニア部会」「大洋州部会」の各部会長がそれぞれ今後の方針を説明。オセアニア部会は、オーストラリアで重点都市を7都市設定。シドニー、メルボルン、ゴールドコースト、ケアンズを核に都市とその近郊の魅力の深掘りをめざすとともに、パース、ダーウィン、ホバートについては周遊コースの強化に取り組むとした。大洋州部会は、パラオやタヒチなど直行便がある方面についてはデスティネーションの深掘りを、クック諸島など直行便がない方面については開発と商品化をめざすとした。8月には「南太平洋」をテーマにセミナーを開催しており、来年1月には2回目を開催する予定だ。