海外旅行概況、17年2Qは8ポイント増-欧州改善も韓国低迷
日本旅行業協会(JATA)が5月22日から6月12日にかけて、会員614社を対象に実施した旅行市場動向調査で、2017年4月から6月までの3ヶ月間の海外旅行のDI値(※)はマイナス20ポイントとなり、前期(1月~3月)から8ポイント改善したが、前期に発表した見通しからは6ポイント下回った。旅行会社からは、「ヨーロッパは回復傾向にある一方、米大陸が落ち込んでいる」「ベトナム・シンガポール・台湾は人気があるが、韓国は回復が鈍化している」などの声が上がった。
業態別では全項目が改善し、「総合旅行会社」が25ポイント増の11ポイントで最も高かった。次いで「リテーラー1」も28ポイント増の9ポイントとなり、2業態がプラスに転じた。最も伸長したのは「ネット系旅行会社」で、34ポイント増のマイナス16ポイントだった。
方面別では、ヨーロッパがマイナス34ポイントながら8ポイント増で最大の伸び。そのほかアメリカ・カナダとミクロネシアが前期を上回った。一方、韓国は24ポイント減のマイナス72ポイント、オセアニアは4ポイント減のマイナス31ポイントなどとなり、それぞれ減少した。なお、JATAによると、韓国と中国については減少が目立つものの、主要ホールセラー10社には回復傾向が見られるという。
顧客層別では、商用・視察が12ポイント増のマイナス4ポイントで2桁ポイントの改善。次いで、インセンティブが8ポイント増のマイナス21ポイント、OLが5ポイント増のマイナス33ポイントなどとなり、5項目が前期を上回った。一方、最も減少したのは教育旅行で14ポイント減のマイナス36ポイントだった。
次ページ>>>次期は全体で1ポイント減、ハワイや欧州など改善
※DI値は設問事項に対して「良い」「普通」「悪い」「取り扱っていない」の4項目を用意し、集まった回答を数値化したもの。回答数から「取り扱っていない」と回答したものを除いた数を母数として、各回答のシェアを算出し、「良い」の割合から「悪い」の割合を引いて、景気動向指数に加工している。