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ドイツ、日本市場復活に向け取組強化-GTM2017

テロ発生も16年の外国人宿泊者数は増加
日本市場は「回復の兆し」

中世から現代まで多様な魅力のニュルンベルク
古城街道とロマンチック街道へのゲートウェイに

毎日市が立つニュルンベルクの中央広場  GTM2017のホストシティとなったバイエルン州のニュルンベルクは、ドイツの3大クリスマスマーケットの開催地の1つで、画家のデュラーの生地としても知られる。正午に仕掛け時計が音を鳴らすフラウエン教会を中心に、旧市街には中世の雰囲気が漂うが、町の9割は戦後に再建されたもの。戦時中にはナチスの最盛期に党大会が開かれ、戦後は軍事裁判が開かれた歴史も持つ。

リープクーヘンを作る90分のクラス。30人から35人まで受け入れ可   開催中は食、アート、音楽、フランケン地方、ワイナリー、城、現代史など、さまざまなテーマでプレストリップが実施された。ニュルンベルクの食をテーマにしたツアーでは、料理教室でバイエルン州名物のジンジャーブレッド「リープクーヘン」を作り、ランチの際は職人によるソーセージ作りのデモンストレーションの見学と試食などを実施した。

ナチスが党大会を開催する予定だった、未完成の会議場「コングレスハレ」。資料館も公開されている  ナチス関連の歴史を今に伝えるツアーとしてアレンジされた1時間半の「バス・ビデオ・ツアー」は、車内のモニターで当時の映像を確認しながら、今も残るナチスの爪痕を見るもの。ニュルンブルクが歴史と向きあいながら、負の歴史をいかに伝えていくかを知ることができ、示唆に富む内容となっている。ヒトラーが演説した集会場などを訪れた。

ドイツらしい中世の雰囲気が楽しめるアンスバッハ宮殿  ニュルンベルクは古城街道とロマンチック街道へのゲートウェイにもなる。車で西に約50分の古都アンスバッハあるアンスバッハ宮殿は、辺境伯の邸宅の一部を宮殿博物館として公開しており、ロココ様式のインテリアから優雅な暮らしぶりが伺える。

18年のテーマは「食」。地域ごとの旬の素材を味わいたい。写真は旬の白アスパラガス ロマンチック街道の宝石といわれるローテンブルクはアンスバッハからさらに西に車で35分ほど。古城街道とも交差する、中世の街並みが保たれた城壁に囲まれた旧市街は日本人からも人気が高い。今回はバイエルン州発祥のプレッツェル作りも体験。生地を伸ばして形づくる簡単な作業ながら、焼きたてを味わえ、体験型素材としておすすめだ。

 歴史から自然まで観光素材が豊富で、切り口次第でより深い旅ができるドイツ。来年のテーマである食をフックに需要引き上げに期待したい。



取材協力:ドイツ観光局、バイエルン州観光局
取材:平山喜代江