ドイツ、日本市場復活に向け取組強化-GTM2017
テロ発生も16年の外国人宿泊者数は増加
日本市場は「回復の兆し」
ドイツの旅行トレードショー「ジャーマン・トラベル・マート2017 (GTM2017)」が5月7日から9日まで、バイエルン州のニュルンベルクで開催された。GTMは今年で43回目を迎えた、ドイツのインバウンド観光におけるBtoBの重要なイベント兼商談会で、毎年ホストとなる都市と州を変えて開催。今年はドイツの旅行素材について理解を深めるセミナーや、クリスマスマーケットを再現したイベント、視察ツアーなどが実施された。2016年の外国人旅行者数の実績や、日本市場の状況などとともにレポートする。
16年の宿泊者数は8000万泊台に、ヨーロッパ好調で
2016年、ドイツへの外国人宿泊数は前年比1.4%増の約8080万泊となり、初の8000万泊台を記録。なかでもヨーロッパからの旅行者の宿泊数が1.9%増の5958万泊となり、全体の73.3%を占めた。一方、前年に急増していた香港を含む中国人の宿泊数は1.6%増の258万泊で、アジア全体の宿泊数は1.1%減少。ただし中国は、伸び率は鈍化したものの、全体のシェアは3.2%と引き続きアジアのトップで、旅行消費額は15%増の46億ユーロと、米国に次ぐ規模となっている。
ドイツ観光局(GNTB)CEOのペトラ・ヘードルファー氏は記者会見で、「英国のEU離脱にともなうヨーロッパの景気の不透明感、テロ事件に対する不安感などにも関わらず、16年の外国人宿泊数は増加し、ドイツは観光地として世界で重要な位置を保っている」とアピール。今年の3月までの外国人宿泊数が2.4%上昇していることや、世界観光機関(UNWTO)の予測などを鑑み、「17年のドイツへの外国人宿泊数は前年並みから2%増程度になる」との見通しを示した。