旅行会社とLCCの協業のあり方について議論-JATA経営フォーラム
さらなる関係構築に向けた課題とは
LCC3社が旅行会社に要望
協業には早期の座席確保などが必要
旅行会社ならではの力の発揮も
プレゼンテーション後のパネルディスカッションで、LCCの3氏は旅行会社との協働に向けて、さまざまな要求をおこなった。JWの五島氏は「IT運賃はそう多くは提供できない」と前置きした上で、早期の座席確保と商品造成を要望。「一定数の座席を確保したい場合には、ブロックで買い取っていただければ」と要望した。
五島氏はそのほか、「これまではインバウンド向けの路線に注力してきたが、ある程度は安定してきたので、今後は日本人向けの路線展開に取り組みたい」と意欲を示した。特に若者の海外旅行需要を獲得したい考えで、「アウトバウンドをねらう路線においては旅行会社と協力できることが大いにある」と強調。
TZの坪川氏は、「我々は旅行会社と、FSCとほぼ同じかそれ以上の条件でお付き合いができる」と自信を見せ、「IT運賃は各便で数百席提供でき、修学旅行など大型の団体も送り出せる。また、団体包括旅行運賃やブロックにも対応できる」とアピールした。一方で、台湾やバンコク、シンガポール、ASEAN諸国などのインバウンドを扱う旅行会社の取引のスピードが非常に早いことを強調。「3ヶ月や6ヶ月どころではなく、10ヶ月前からブロックで買い取ってくれるケースもある」と伝え、日本の旅行会社にも早期の座席確保を呼びかけた。
春秋グループの王氏は「我々が提供できるのは空港から空港までの移動だが、できればドア・ツー・ドアの移動をサポートしたい」との考えを示した。その上で、ホテルの予約やバスの手配から、ツアー商品の提供まで「航空会社にはできない部分」における旅行会社との連携に意欲を示した。
また、旅行会社への座席提供については、五島氏や坪川氏と同様に「早期の商品造成であれば対応できる」と述べ、「我々は上海春秋国際旅行社から始まったグループの航空会社なので、旅行会社の気持ちはよく分かる。IT運賃やブロックなどは積極的に提供していきたい」と強調。その上で、「日本の国内線だけでなく、日中間の国際線、中国の国内線など全路線を日本事務所で提供できるので、是非一度問い合わせてみてほしい」とアピールした。