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「日本遺産」や国立公園で訪日客を地方に-ツーリズムEXPOより

文化財や自然を地方創生の鍵に
外国人目線で資源の磨き上げを

民家や産業も混在する日本の国立公園
暮らしがある公園の特徴を強みに

環境省自然環境局国立公園課長の岡本光之氏 日本遺産に加えて訪日客を取り込む資源として期待される国立公園については、環境省国立公園課長の岡本光之氏が概要を説明。国を代表する自然公園のなかでも環境大臣が指定して環境省が管理する公園を指し、1934年から現在までに全国で32ヶ所を指定していることなどについて述べた。

 続けて岡本氏は、人々の生活とは無縁の地で世界最大の規模を有する米国などの国立公園と日本の国立公園には、質の違いが見られることについて説明した。同氏は、日本の国立公園の敷地内には民家などの私有地も含まれるため、手つかずの自然を求めて来た旅行者にとっては「残念な環境も目に入る」と指摘。その一方で、人々の暮らしに触れられる点では、「日本の国立公園ならではの魅力になりえる」と語った。

 また、環境省は訪日客を呼び込むために、16年内に「国立公園ステップアッププログラム2020」を策定し、先行して8つの公園でツアーの開発やガイドの育成などを実施する予定であることを紹介。15年に国立公園を訪れた訪日旅行者は430万人だったが、20年までに1000万人に引き上げる目標を示した。

ブロガーのパナーラット・キャット氏  日本を拠点にブロガーやタイ語教師として活動するパナーラット・キャット氏は「タイは季節の変化がほぼ無く、タイ人が自然を目的に自国内を旅行するケースはあまりない」と説明。その上で、日本の自然資源については「四季があるため、タイでは見られない植物や雪がある景色が珍しく、魅力的に感じる人が多い」と評価し、日本の自然が訪日旅行の動機につながるとの見方を示した。