外務省、タイの連続爆発事件で注意喚起-ホテルなどは営業継続

  • 2016年8月15日

 外務省はこのほど、8月11日夜から12日朝にかけてタイで発生した複数の爆発事件の発生を受けて、注意喚起のためのスポット情報を発出した。爆発事件が発生したのは、王室の保養地として知られるフアヒンやプーケット島、サムイ島への玄関口であるスラータニーなど5ヶ所で、いずれも同国の中部または南部に位置し、リゾート客に縁のある土地が多いのが特徴。日本人の被害者は報告されていないが、現地からの報道では少なくとも4名が死亡し、外国人を含む30名以上が負傷したと伝えられている。

 15日午後の時点で犯行声明は出されておらず、事件の背景についてはタイ当局が調査中。外務省は、タイでは昨年8月以降にバンコク中心部やサムイ島などで複数の爆発事故が発生し、外国人を含む負傷者を出していることを説明するとともに、同国深南部のナラティワート県などには分離独立をめざすイスラム系武装集団が存在し、襲撃事件や爆弾事件を起こしていることを説明している。また、旅行者に対しては最新情報の入手に努めるとともに、テロの標的となりやすい施設や不特定多数が集まる場所などでは細心の注意を払うことを呼びかけている。

 本誌の取材に応えたタイ国政府観光庁によれば、15日午後の時点ではすでにいずれの観光地も通常通りの状態に戻っており、プーケット島でもホテルの営業停止は見られなかったという。旅行会社数社に調査したところでは120名ほどのキャンセルが発生しているが「思ったほど落ち込みではない」とのこと。お盆明け後に予想されるキャンセル増への対策については、16日以降の様子を見ながらリカバリーキャンペーンの実施や、声明の発表を検討する。昨年8月にバンコクで爆発事件が起こった際にも短期間で事態が収束したため、今回も影響は長びかないとの見通しだ。