JATAと都が訪日セミナー、旅行者分散やMICE誘致を強化

  • 2016年7月19日

▽新たに関東広域連携の協議会が発足、周遊ルートも

 関東エリアの取り組みについては、関東運輸局観光部国際観光課長の神村正巳氏が説明した。まず、関東ブロックの広域連携を推進する「関東観光広域連携事業推進協議会」が新たに発足したことを紹介。同協議会では外国人旅行者向けのポータルサイトを立ち上げたほか、英語版の広域地図やパンフレットも作成した。

 このほか、広域観光周遊ルートの形成にも取り組んでおり、新たに「東京回廊」(仮称)が観光庁から認定を受けたことも報告。これは、東京を中心として関東甲信越に広がる周遊ルートで、太平洋方面と日本海方面の「自然大回廊ルート」、千葉県・茨城県方面と山梨県方面の「江戸回廊ルート」で構成される。

 東京都が重点施策として位置づける国際会議の誘致については、東京都観光財団コンベンション事業部誘致事業課国際会議係長の野本加奈氏が選定プロセスの流れを説明。立候補書類(ビッドペーパー)の作成においては、会議使用計画、イベント会場やエンターテイメント、宿泊、現地ツアー、収支予算案などをまとめるにあたり、旅行会社の協力が必要と訴えた。また、競合都市との誘致競争について、「カギとなるのはコスト」との認識を示し、「東京で開催する意義を明確にする必要がある」と強調した。

 そのほか最新のトレンドとして、これまでは国内主催者が運営全般に決定権を持っていたが、最近では、コアPCO(Professional Congress Organizer)と呼ばれる会議企画運営会社がが決定権を持つケースが増えてきたと報告。コアPCOは、国際会議でも利益を上げることめざしているため、さらにコスト意識が強くなっており、施設側などと直接契約を求める傾向も現れ始めているとした。