JALグ、15年度は営利経利が過去最高-中計目標を達成
JALグループの2016年3月期(15年4月1日~16年3月31日)の連結業績で、売上高は前年比0.6%減の1兆3366億6100万円だった。営業利益は16.4%増の2091億9200万円、経常利益は19.4%増の2092億1900万円となり、ともに過去最高を記録。純利益は17.1%増の1744億6800万円だった。営業費用は燃油費が19%減となったことなどにより3.2%減の1兆1274億円となり、営業利益率は2.3ポイント増の15.7%となった。
4月28日の記者会見で日本航空(JL)代表取締役社長の植木義晴氏は、同社が12年度から16年度までの中期経営計画で目標としている「5年連続営業利益率10%以上、16年度末自己資本比率50%以上」を達成したことに喜びを示し、「引き続き数値目標を維持していく」と意欲を述べた。自己資本率は0.7ポイント増の53.4%だった。
国際線の旅客収入は1.3%減の4487億8000万円で、有償旅客数は3.7%増の808万676人。座席供給量を表す有効座席キロ(ASK)は新仕様機材「SKY SUITE」の導入拡大などで1.3%増となり、旅客輸送量を表す有償旅客キロ(RPK)は訪日需要の好調で5.4%増となった結果、座席利用率は3.1ポイント増の78.8%となった。単価は燃油サーチャージ減の影響などで4.8%減の5万5537円、イールドは6.4%減の11.8円、ユニットレベニューは2.6%減の9.3円だった。
国内線の旅客収入は2.8%増の5012億7400万円で、植木氏は「レベニューマネージメントの強化や、需要喚起策の実施が功を奏して増収となった」と説明した。有償旅客数は訪日外国人の利用増などもあり1.5%増の3211万4322人に。ASKは1.2%減、RPKは1.5%増で、座席利用率は1.8ポイント増の67.9%となった。個人客の増加により単価は1.3%増の1万5609円、イールドは1.3%増の20.6円に。ユニットレベニューは4.1%増の14.0円だった。
通期の業績予想については、2月に発表した「2012~2016年度 JALグループ中期経営計画ローリングプラン2016」と同様で、売上高は0.5%増の1兆3430億円、営業利益は3.9%減の2010億円、経常利益は7.8%減の1930億円、純利益は10.0%増の1920億円を見込む。営業費用は1.3%増の1兆1420億円で、営業利益率は0.7ポイント減の15.0%を予想する。
そのほか、植木氏は熊本県などで発生した一連の地震の影響について、JLが羽田、伊丹/熊本線を減便していることを説明。九州全体の観光需要が減少していることについては「九州のなかには影響を受けていない地域もある。キャンペーンなどをおこない、利用者を誘致していきたい」と語った。
昨年11月にパリで発生した同時多発テロ事件の影響については、「足元では利用率が(前年の)8割程度まで復活している」とし、5月にはほぼ前年並みまで回復するとの見通しを示した。日本発の需要については、当初の予想よりも回復のペースが遅いが、欧州からの訪日需要が好調だという。