南ア、エボラ風評からの回復めざす、16年は目標3万人

  • 2016年4月5日

同局アジア太平洋地区プレジデントのブラウワー氏 南アフリカ観光局はこのほど、ツアーオペレーターなどを対象としたレセプション「Get Together Party」を開催した。同局アジア太平洋地区プレジデントのブラッドリー・ブラウワー氏は本誌の取材に応え、「エボラ出血熱発生後の風評被害で、ここ2年間の日本人訪問者数は大幅に減少してしまった」と振り返った上で、今年の1月からは訪問者数が回復傾向にあることを強調。「今年は昨年と比べて、最低でも5000人から6000人は増加すると確信している」と述べた。

レセプションの様子  同局によると、15年の南アフリカ共和国へのトランジット旅客を除く日本人訪問者数は、26.5%減の2万202人と大きく減少。しかし今年1月については、前年比110%増の2579人と大きく回復している。ブラウアー氏は16年の目標人数として、48.5%増の3万人を掲げていることを説明した。

 ブラウワー氏は近年の海外旅行の需要低下について、「テロはいつどこで起こるか分からないし、エボラ出血熱やジカ熱などの感染症も拡大の可能性がある」と述べた上で、同国についてはテロや感染症などが発生していないことを強調。「ヨーロッパなどへの旅行を考えていた人を、南アフリカに送客していきたい」と意欲を示した。これまでは、主に旅行会社の商品造成をサポートすることで訪問者数の増加をはかってきたが、今後はテレビなどのメディアを活用して、消費者サイドからの需要喚起に注力するという。

 同局では昨年に引き続き、エボラ出血熱の発生前からメインターゲットとしていたシニアや富裕層などに注力。土台を改めて築き直したあと、若年層などにもプロモーションを展開していくという。