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加賀観光ホテルの元運営会社が特別清算、負債50億円

  • 2016年3月27日

 東京商工リサーチ(TSR)によると、石川県加賀市の片山津温泉で「加賀観光ホテル」を運営していた相互開発事業(旧社名:加賀観光ホテル)が3月15日、大阪地方裁判所から特別清算の開始決定を受けた。負債総額は約50億円。

 同社は1935年に小松市の粟津温泉で温泉旅館「のみや」として創業。その後、加賀市の片山津温泉で「加賀観光ホテル」を設立した。同ホテルでは、柴山潟湖畔に面した「ゆらら館」の本館と新館に加えて、2006年に承継した「矢田屋梅光閣」を改装した別館の「季がさね」を運営。1993年3月期には22億5000万円の売上高を計上した。

 しかし、近年は価格競争の激化や企業などの経費削減による酒類の消費低迷などを背景として客単価が低下。売上高は減少傾向が続き、2014年3月期には9億6300万円にまで落ち込んだ。それ以前にも連続して億単位の赤字を計上していたことや、多額の投資による負債などもあり、14年3月時点では27億1660万円の債務超過に陥っていたという。

 関係機関と協議を続けてきた結果、同社は14年4月1日に同名の新会社を設立し、9月31日に旧い加賀観光ホテルの商号を相互開発事業に変更。10月1日付で新たな加賀観光ホテルに事業を移管した。相互開発事業15年3月30日には登記上の本店を大阪市中央区へ移転し、翌31日の株主総会の決議により解散した。

 なお、現在の「加賀観光ホテル」は韓国、台湾、中国からの団体客が増加したことや、北陸新幹線の開業効果により、新会社のもとで好調に営業を続けている。