ニセコ町、インバウンドの取り組みとMICEの可能性

民と官が一体となり訪日外国人MICEに注力

ヒルトンでも希少なマウンテンリゾートの優位性

メインバンケット「Hokkaido」。ファムツアー当日は修学旅行のディナー会場として利用されていた

 MICE分野におけるニセコの強みはスキーリゾート、あるいはマウンテンリゾートとして他のリゾート地と差別化できる点だ。ヒルトンニセコビレッジ副支配人-営業推進担当の菅原吉幸氏によると、「世界各国にあるヒルトンでもマウンテンリゾートは限られており、アジア太平洋地区に限ればニセコとニュージーランドだけ」。

 また、新千歳空港から車で約2時間というアクセスも他のスキーリゾートと比較して悪くはなく、スキー場の標高が1380メートルと低いために体への負担が少ないことから年配の参加者にも安心して訪れてもらえることも、オーガナイザーへの提案材料の1つになるだろう。

レストラン4軒とショップ3軒の複合施設「ザ・ビレッジ」。昨年12月にオープンしており、一部のレストランでは貸切も可能

 受入施設としては、ヒルトンニセコビレッジがニセコ町内で最大のホテルであり、ある程度以上の規模の団体を受け入れようとすれば必ず利用することになる。

 同ホテルの客室数は全506室で、そのうちの約6割となる300室がスタンダードルーム。このうち2014年12月に改装を終えたデラックスファミリールーム(マウントビュー)は4ベッドまで対応可能だ。改装は現在も取り組んでいるところで、今月には17階部分の作業が完了。来年以降も順次進めていく予定だ。

ホテルに隣接されている「ピュア」では、ジップラインなどアクティビティが体験できる

 また、バンケットホールは4部屋で、天井高48メートルのメインバンケット「Hokkaido」はスクール形式であれば最大420名を収容できる。過去には台湾の保険会社から300名規模のインセンティブグループを受け入れた実績もあるという。

 なお、今後のホテルとしての営業戦略では、今回のFAMツアーの主催自体が初めての試みであったが、継続して札幌や関西の旅行会社から積極的に社員を招聘していく方針だ。