トップインタビュー:H.I.S.ANAナビゲーションジャパン代表取締役社長の深木重和氏
HISとANAセールスのリソース活用で訪日誘致
地域連携を強化、地方都市への需要拡大に向けた取り組みも
-4月から旅行商品を発売されましたね
深木 ダイナミックパッケージ「JAPAN Hotel & Air Package」の販売を開始した。あらかじめ航空券や宿泊施設を組み合わせて特別価格で提案する「プリセット型」と、お客様に日程や航空券、宿泊施設を検索して組み合わせてもらう「チョイス型」を販売している。
利用者の傾向では、HISの店舗網が拡大しているタイからのお客様が多い。このほか、他のアジア諸国以外にもヨーロッパやブラジルなど、いろいろな国から予約が入ってきている。需要が高い地域は沖縄や北海道。また、共同で訪日プロモーションを実施中の富山も売れ筋だ。富山県とは共同でプリセット型商品を造成、販売している。
今後は地方自治体と提携し、プリセット型の商品を増やしていきたい。現在さまざまな自治体と検討を進めており、順次広げていく。また、国によって需要が異なるため、各国、地域向けの商品も造成していきたい。
-ウェブサイトに加え店舗でも販売されておりますが、今後の戦略は
深木 ダイナミックパッケージは個人がインターネットで簡単に検索、閲覧できることが利点。また、自分で調べるよりもアドバイスをもらいながら旅行を決めたいというお客様には、HISの店舗のカウンターや電話での相談受付で対応している。店舗でコンサルティングができることが我々の強みだと思っている。
店舗ではHISの既存商品と同様、HAnaviの商品を販売している。今まで通り、人気の高い訪日旅行者向けの鉄道パスもたくさん販売しているが、HAnaviの商品で、電車しか使わなかったお客様に今度は飛行機を使った旅行を提案したい。海外の方々は日本の距離感、土地勘がなく、中には東京と京都が近いと思っている人もいる。日本の地理を含めた認知度を高めていくことが必要で、いかに分かりやすく伝えていくかも我々の仕事と考えている。
ウェブサイトだけでは決して解決しない部分を、しっかり店舗スタッフやオペレーターがお客様に伝えられるよう、自治体と連携して販売している地域には、海外の現地スタッフがファムツアーなどで研修に行く。そうすると距離感を掴めるし、どういった楽しみ方があるかなど、現地の人の目線で楽しみ方を伝えることができる。6月には東南アジアのスタッフが富山に研修に来た。今後もそうした機会を増やしていきたい。