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現地レポート:タヒチ、離島とポリネシア文化をアピール

  • 2015年6月9日

旅行代金も割安に 変化するタヒチ市場
離島に残るポリネシア文化 「隠れ家」に滞在する魅力

離島の一つ、ファヒネ島  高額リゾートの印象の強かったタヒチだが、昨年秋から国内外の航空会社とホテルが共同キャンペーンを実施し、離島のプロモーションに力を入れている。こうしたキャンペーンの成果として、従来よりも安い20万円代の旅行商品も登場している。多様な観光資源に恵まれた個性的な島々を幅広い層に向けてアピールすることで、日本からはハネムーナーに加えシニア層も増えている。今回はタヒチについて、離島の魅力を中心にレポートする。

寄稿:篠田香子(ライター)


キャンペーンで手ごろな旅行代金の商品登場
「セカンド・ハネムーン」でゆっくり滞在するシニア層

欧米のシニア・カップルも多い  南太平洋に浮かぶ118の島から成るフレンチ・ポリネシア。最後の楽園と謳われるデスティネーションには、数年前はその全人口25万人を上回る海外からの旅行者が訪れた。旅行者数は金融危機で減少したものの緩やかに回復してきており、2014年の総数は18万人あまり。このうち日本人は約12万5000人を記録した。旅行者の大半がゲートウェイであるタヒチ本島とボラボラ島に滞在する。

 だが、フレンチ・ポリネシアには、そのほかにもあまり知られていない多様な魅力あふれる島が100余りある。昨年11月にはエア・タヒチ・ヌイ(TN)と国内線を運航するエア・タヒチ(VT)、そしてホテルが始めて3者で協力し、離島への通常より安い料金レートを日本市場のパッケージ商品を対象に提供するキャンペーンを開始した。これにより、従来の平均旅行代金より2割以上割安な、ランギロア島やファヒネ島への20万円代後半のパッケージツアーが登場した。

ヤン・ベイリー氏  “ボラボラ島”“水上コテージ”“ハネムーン”“高額”といった従来のタヒチの定番イメージとは異なる、カジュアルなデスティネーションとしてのタヒチ。手軽な旅行代金の商品により、タヒチを若者層にアピールすると共に、のんびりとポリネシアン・ライフを楽しむシニア層にもアプローチが可能となった。こうした動きを受け、欧米市場に多い長期型の「セカンド・ハネムーン」滞在が日本市場にも出現している。

 50代晩年をここですごし、タヒチの風物を描き続けたポール・ゴーギャン然り、ポリネシアの豊かな自然と文化はシニア層の関心も高い。TNによると南太平洋の「最後の楽園」にゆっくりと滞在する日本人が昨今少しずつ増えており、「隠れ家」的な離島も好評だという。

 タヒチでリゾートやホテルの開発・運営などを展開するパシフィック・ビーチコマ社のアシスタント・ディレクター、ヤン・ベイリー氏は「当社はタヒチのラグジュアリー市場に強いが、近年は供給の少ない長期滞在向きの3ツ星から4ツ星クラスのホテルの開発も進めている」と説明。市場の多様化と共に、ビーチ・リゾートだけでなく、ポリネシアの豊かな自然と結びついた文化や、タヒチ本島やボラボラ島だけでない、離島の魅力も広めたい考えを示した。