関空、着陸料割引制度を継続、新たに臨時便誘発策も
新関西国際空港は3月24日、2015年度以降の着陸料割引制度について発表した。2012年度から実施してきた各種割引については、2015年4月から2年間延長。さらに新たな施策として、機材繰りの際に運航する関空/伊丹間のフェリー便の着陸重量の100%を割り引く。両空港の一体的運用を強化し、関空発着の臨時便運航を増加することがねらい。
24日に開催した記者会見で、同社執行役員(航空営業担当)の住田弘之氏は「今のところは(フェリー便によって臨時便を実施した例は)ないが、臨時便を誘発する可能性はある」と意欲を示した。今後は日系企業による積極的な活用を期待する。
継続する割引制度は、国際線着陸料の引き下げや増量割引、深夜早朝割引など。国際線着陸料については1トンあたり2300円から1990円に引き下げていたが、料金をそのまま維持する。増量割引は、期間中に増加した国際線および国内線の着陸重量について、初年度は80%、2年目は50%、3年目は30%を割り引くもの。深夜早朝割引は、1時00分から5時59分に着陸する国際線および国内線の着陸重量を50%割引する。
そのほか、「関西圏ネットワーク拡充割引」では関西3空港のうち関空のみに就航する国内路線の着陸重量を50%割り引く。なお、2016年1月から関空と伊丹は民間による運営に移行するため、その後の着陸料の取り扱いについては運営権者の判断に委ねる。
住田氏は、LCCなどの新規就航や増便、訪日外国人旅行者の増加に加えて、過去3年間実施したこれらの料金戦略が功を奏した結果、発着回数や旅客数が「順調な伸びを示した」と説明。2014年度の発着回数は過去最高の約14.5万回に達し、旅客数は14年ぶりに1900万人を超える見込みとなっている。
また、この日の会見では、2015年夏ダイヤの概況についても報告。ピークは7月で、旅客便と貨物便を合わせての週1029便は、夏ダイヤ・冬ダイヤを通じて過去最高となる。そのうち旅客便は週882便で、やはり夏ダイヤ・冬ダイヤを通じて過去最高となっている。
そのほか、本誌の取材に応えた住田氏は、このほど春秋航空(9C)が関空を同社初の海外拠点としたことについて喜びを示した。本格的な交渉は2012年頃から開始していたという。住田氏は、今後は東南アジア諸国など他国の航空会社についても、拠点誘致を推進していく旨を説明した。