海外旅行業況、欧州が続落、オセアニア伸長-3ヶ月後は微増へ
日本旅行業協会(JATA)が2月に会員各社595社に対して実施した旅行市場動向調査で、2015年1月から3月の海外旅行のDI値(※)はマイナス38となり、前期(2014年10月~12月)から11ポイント減少した。昨年12月時点での見通しではマイナス35としていたが、ヨーロッパの続落や業務渡航の減少などで予想を下回り、8期連続で予想を下回った。回答社数は325で、回収率は54.6%だった。
業態別では、回答数の最も多いリテーラー2が1ポイント増加した以外は、総合旅行会社、海外旅行ホールセラー、海外旅行系旅行会社、リテーラー1、インハウスのいずれも20ポイント前後減少した。
方面別では1月のフランス紙襲撃事件や円安などの影響により、ヨーロッパが前期に続き9ポイント減に。そのほかミクロネシアとハワイも減少した。一方、オセアニアは6ポイント増加してマイナス39となり、ヨーロッパに並んだ。そのほかにはアメリカ・カナダが3ポイント増、中国が2ポイント増でそれぞれ増加。アジアは前期と同じマイナス13だったが、韓国については1ポイント増となり、前期に続き増加。JATA広報室担当副部長の勢子浩之氏は3月18日の定例会見で、「数字としてはまだまだ少なく、様々な意見があるが、全体的にダメという状況ではなくなってきている」と説明。早期回復に期待感を示した。
顧客層別では、上位の商用・視察が14ポイント減、シニアが6ポイント減となり、ともにマイナス23に下落。インセンティブも7%減となった。唯一好調だった学生は7ポイント増で、その他は概ね前期並みとなった。
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※DI値は設問事項に対して「良い」、「普通」、「悪い」、「取扱なし」の4つを用意し、集まった回答を数値化するもので、設問事項に対する全体的なトレンドを量る指標となる。全ての回答が「良い」の場合はプラス100。JATA調査では、JATA会員会社の経営者などに対してインターネットでアンケートを実施し、業態、顧客層、方面別に業況判断をDI値を導出している。