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現地レポート:ニューヨーク、MICE誘致を強化、ブロードウェイなど多様な素材アピール

ベニュー再オープンやホテル増加で利便性向上
多様な素材でインパクトの強い体験を提供

MICE誘致を強化、「インパクトの強い忘れられない体験」提供

ニューヨーク市観光局グローバルツーリズム振興担当上席副局長のマキコ・マツダ・ヒーリー氏 ニューヨーク市観光局によると、2013年に国際会議やミーティングでニューヨークを訪れた人の数は、米国内と海外からを合わせて前年の560万人から590万人に増加。消費額も47億米ドルから50億米ドルに伸長した。

夜のタイムズ・スクエア。深夜12時でも多くの人で賑わっている ヒーリー氏によると、このうちの日本人のシェアは把握できていないものの、日本人訪問者全体では2.7%増の33万7000人とプラス成長。カナダとメキシコを除いた海外からの訪問者数としては9位につけている。

 世界展望台が開設される「ワン・ワールド・トレード・センター」の外観 同氏は「日本市場は中国などに比べると一気に訪問者数が増えるというわけではないが、深い体験をオファーできる成熟したマーケット」とMICEにおける日本市場の重要性を語った。

 日本市場では、旅行会社向けセミナーを継続実施することに加え、人気故に客室などを確保しにくい状況もあることから、「空きやすいタイミングをリマインドする」取り組みも検討。例えば、閑散期の1月や2月、またミーティングを避ける米国企業が多いという米国やユダヤ教の祝日などを提案していく考えだ。

 このほか、ヒーリー氏は、ニューヨークの強みとして「インパクトの強い忘れられない体験を提供できること」と強調し、ハーバーでの打ち上げ花火のアレンジなどを例示。一方、インパクトばかりでなく、例えば和食が恋しくなっても容易に手に入れられるなど「落ち着ける環境」も整っていると語った。

デルタ航空、ビジネスにフルフラット導入、ラウンジで屋外デッキ提供も

B777のビジネスエリートの座席。シートが通路に面しているため、隣の人を気にせずに出入りが可能  デルタ航空(DL)は日本から米国本土へ、ニューヨークを含め7都市に直行便を運航している。今回利用したのは、日本/ニューヨーク路線の成田/ニューヨーク線だ。運航機材はボーイングB777型機で、座席数はビジネスが37席、プレミアムエコノミーが36席、エコノミーが218席の計291席だ。

 DLではファーストクラスは設けず、国際線の最上位クラスとしてビジネスクラスの「ビジネスエリート」を設定。同クラスでは180度水平になるフルフラットベッドを日本発着の米国全便で提供している。また、全国際線と、米国西海岸と東海岸を結ぶ大陸横断路線にウェスティンホテルが開発したDL専用の「ヘブンリーベッド」製品を提供する。

 ビジネスクラスの食事には、メインコースに日本食と4種類の洋食を用意。日本食は人気が高いことから、DLウェブサイトまたは予約センターでの予約を推薦している。

JFKのラウンジにある屋外テラスの「スカイデッキ」。JFKラウンジ内のダイニングではタパス料理、寿司、チーズ、ワインなどを提供する  またDLでは、ビジネスクラスの利用者及びマイレージプログラムの上級会員を対象に、空港ラウンジ「デルタスカイクラブ」を提供。ジョン・F・ケネディ国際空港では、DL最大となる2万4000平方フィートのデルタスカイクラブを2013年5月に開設し、空港の制限エリア内では珍しい屋外テラスの「スカイデッキ」も設けた。

 このほか、DLではオンデマンドの個人用モニターを、エコノミークラスを含めた全座席に搭載。映画やテレビ番組、音楽、ゲームなどのコンテンツを提供する。



取材協力:ニューヨーク市観光局、ブロードウェイ・インバウンド、デルタ航空
取材:本誌 人長紘子